四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『あと149日。 ~時間単位の学習密度を高める~』

2017.09.06

早稲田アカデミーでは、一昨日から9月新学期の授業がスタートしています。各校舎では、新学期のオリエンテーションが実施されていることと思います。私も、9月以降の学習へ向けて気持ちを切り替え、さらにやる気を高めてもらうことを意識して、生徒たちに話をしています。一昨日行われた小6の初回授業では、少し厳しめに話をいたしました。


受験生である小6の夏休みは、「1日10時間、合計400時間の学習を目標にしよう!」を合言葉に進めてきましたので、まずは400時間をクリアできたかどうかの確認をしました。学校によって夏休みの長さ(期間)は異なりますので、400時間に到達した生徒も、あともう少しだった生徒もいましたが、概ね「できる限りの学習をやり切った」という達成感は得られているようでした。


次に「2月1日まで、残り149日!」という日数を伝えました。一昨日、つまり9月4日から、都内私立中学入試が始まる2月1日までの残り日数です。今日であれば2日経っているので、147日とさらに短くなります。


「149日」という日数だけを聞くと、「まだそんなにあるんだ」という顔をする生徒がほとんどです。しかし、「学校が始まると、夏休みのように『1日10時間の受験勉強』はできないよね。もし残りの期間、1日3時間勉強したとすると、合計は……447時間!」という話をした瞬間に、多くの生徒の顔色が変わりました。もちろん、小学校の授業がない土日や冬休みにはもっと学習時間を取ることもできますので、447時間は正確な数字ではないのですが……。生徒たちにとっては、まだ記憶に新しい「夏休み」と同じくらい学習すると、中学受験がやってくることを、具体的な数字として見せつけられた、そんな顔つきでした。


受験生に残された日数・時間は、当たり前ですが誰でも同じです。残された「149日」で志望校への合格を勝ち取るためには、同じ学校を目指しているライバルに差をつけるような学習をしなければなりません。私が大学受験をしたころには、「四当五落」という言葉が流行していました。四時間睡眠ならば合格、五時間以上寝てしまうと不合格になる、というような意味で、睡眠時間を削って受験勉強に勤しむということを表した言葉です。もっとも、睡眠時間を削って学習をしても、逆に定着度は下がってしまい効果的ではない、ということが立証されているので、今となってはほとんど死語になっています。もちろん、小学生にとっては、高校生以上に睡眠が大切であることは、ここで言うまでもないでしょう。つまり、「ライバルよりも勉強時間を増やす」ということは、「現実的」ではないのです。


では、どうしたら良いのでしょうか。私が受験生に話をしているポイントは、「学習効率を高める」ということに尽きます。同じ時間で学習できる「量」を増やす、というイメージです。今回のサブタイトルにさせていただいている「時間単位の学習密度を高める」という言葉に置き換えてもかまいません。受験までの日数・学習できる時間数は同じでも、その時間の中で「こなせる学習量」に差をつけることができれば、その分合格に近づけるわけです。


小6の秋になってから「時間単位の学習効率を高める」ことを意識し始めても、なかなかうまくいかないものです。小6の夏期講習会や夏期合宿で「受験生としての意識」を高めることができれば、秋からの学習に向かう意識が変わって学習姿勢も良くはなりますが、より上のレベルで「効率の良い学習」を行うためには、非受験学年のうちに「集中して学習に取り組む経験」を積んでおくことが必要になります。


小5までの非受験学年は、受験学年の秋と比べれば、与えられている課題はそこまで多くありません。しかし、かなり時間がかかっている(かけている)お子様も多いのではないでしょうか。場合によっては、机の前に「ボーっと」座っているだけで実際には手も頭も動いていない、というケースもあるかもしれません。非受験学年の保護者の皆様に一番お願いしたいのは、そういったお子様の状態をしっかりと見ていただいて、なるべく「効率の良い」学習スタイルに切り替えていただくことです。まずは「学習時間の長さ」よりも、「学習効率」を意識していただければと考えています。

同じテーマの最新記事

2017.09.06 『あと149日。 ~時間単位の学習密度を高める~』
2017.09.01 『9月新学期がスタートします!』
2017.08.30 『さぁ、次のステージへ!』
2017.08.25 『夏期講習会も終わりに近づき……』
2017.08.23 『1回で正解を出す!』
資料請求はこちら