四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『CQ② ~好奇心が原動力~』

2021.10.20

前回の記事で、日本人でノーベル賞を受賞された方の何人かが「好奇心が研究活動の原動力であった」「若い人たちには好奇心を持ってほしい」というようなことをお話しされているという内容を書かせていただきました。そこで思い出したのが「CQ(curiosity quotient)」という考え方です。


「IQ」と呼ばれる「知能指数」は有名ですが、「CQ」は「好奇心指数」と言われており、現代に必要とされるものとして評価されているようです。インターネットで検索をすると、ビル・ゲイツが母校の講演会で、校長先生から「10年後、20年後の社会で活躍するためにどんなスキルが必要だと思うか」という質問をされたときのエピソードが出てきます。やはり、若い世代に対して「好奇心」を持った学習姿勢が大切だということをお話しされていたようです。


「好奇心」という言葉について考えてみます。
「自分の見たことがないもの、経験していないこと、新しいことに対して、興味関心を持つこと」、そんな風に私は考えています。逆を考えてみましょう。「好奇心が薄い、好奇心がない」という状態は、「自分が経験していないことに関しては、興味や関心を持てない」ということになってしまいます。学習を進めていくという点以外でも、あまりよい状態とはいえないのではないでしょうか。「好奇心の強さ」を表すものが、「CQ=好奇心指数」なのであるとするならば、学習や研究を進めるためにも、さらには豊かな人生を送るためにも、指数は高い方がいいように思えてきます。


そもそも子どもは「好奇心旺盛」なものです。人生における経験がまだまだ少ないため、「経験したことがないもの」「新しいもの」が身の回りにあふれています。その一つひとつに触れるたびに、「これはなんだろう」「なぜそうなっているのだろう」という思いが湧き出てくるはずです。そのときの「なに?」「なぜ?」という気持ちが「好奇心」の源になるのです。


余談ですが、「CQ」という考え方は、「IQ」と比較するとまだ一般的ではないようです。それぞれの研究者によって「CQ=creativity quotient」として「創造的指数」とされている場合もありますし、「CQ=children quotient」として「子ども力指数」とされている場合もあります。面白いのは「子ども力指数」の考え方で、「子どものころに持っている13の力」が、現代のビジネスマンの成功要因であるというものです。「遊ぶ力」「熱中する力」「焦点を絞る力」……など。その中にはやはり「好奇心を抱く力」が入っていました。


中学入試へ向けた学習においても、「好奇心」が重要であるという話をさせていただくことがあります。どの科目の学習でも、「好奇心」を強く持って学べば、定着も早く深くなるのは間違いありません。私が新人講師に研修をするときには、「単に教えて覚えこませるだけではなく、いかに興味を引き出すか、好奇心を持たせるかという視点を持つように」という話をしています。


中学入試では「いままで見たことがない問題」が出題されることがあります。いわゆる「初見の問題」です。塾のテキストやテストでよく出される「パターン問題」は「見たことがある」「知っている」だから「できる」と考えるお子様がほとんどです。しかし、「初見の問題」は「見たことがない」「知らない」だから「できない」と思ってしまうお子様と、「見たことがない」「知らない」だけど「おもしろそう」「よしやってみよう」と思うお子様に分かれます。新しいことに対する「好奇心」を持っていれば、後者のように考えることができるはずです。


11月3日に実施される「全国統一小学生テスト」でも、いままで見たことがないタイプの出題がされる可能性がありますので、お子様がどのように取り組んだかをご確認いただくとよいと思います。

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