『テストのコツ』
2022.01.12
1月末には、新学年へ向けた四谷大塚の『公開組分けテスト』が各学年で実施されます。早稲田アカデミーにお通いの場合、「必修テスト」という扱いになっていますので、塾生全員にお受けいただくことになっています。現在小学3年生(新小学4年生)の生徒にとっては、初めて外部会場で受けるテストとなります。そのため早稲田アカデミーの各校舎では「小4に向けて大切なテストだからがんばれ!」と話をしていますので、気合が入っているのと同時に、緊張しているお子様もいるのではないでしょうか。
最終的なゴールとなる中学入試でもそうですが、小学生がテストを受けるときに大切になるのは、「テストで自分の実力を100%発揮する」ということです。精神的に成長途上段階にある小学生の場合、そのときの精神状態がテスト結果に影響することがよくあります。テストの日の朝、お母様とケンカをしてしまって結果がよくなかったというような話をよく聞くことがあります。また、よい点数をとりたくて焦ってしまい、できる問題でミスをたくさんしてしまったというようなことも起こりがちです。テスト前には、「平常心で」「自信を持って」「落ち着いて」などと言った激励の言葉をかけることがありますが、それらはすべて「持っている実力をすべて出してもらいたい」というところからです。
テストで実力を発揮するためには、「テストを解くコツ」を知っておく必要があります。学力的に到達していない問題がテストの場でいきなり解けるようにはなりませんが、できる問題でミスをしてしまったり、時間が足りなくなって、できる問題が解き切れなかったりというようなことがないように、「テストを解くコツ」を伝えて、身に付けてもらうことが大切なのです。その「コツ」は科目ごとにさまざまありますが、小学3・4年生であれば、次の3つのポイントにしぼって、お子様にお伝えいただきたいと思います。
①「わからない問題はとばして、次の問題に進みなさい」 小3~小4で一番陥りやすいのは、難しい問題をずっと考えて時間が足りなくなり、最後まで解き切れないというものです。どうしても、はじめのうちは問題を最初から解いていこうとします。そして途中で引っかかってしまうとなかなか先に進めなくなってしまいます。さらに、時間が足りなくなるだけでなく、できない問題があったことで気力まで失われて、その先の問題(場合によっては次の科目にまで)に集中できなくなってしまうことも往々にしてあるようです。そういう事態に陥らないように、テストを受ける前に「わからない問題はとばして、次の問題に進んでいいのよ」とお伝えいただければと思います。
四谷大塚のテストの問題構成にはある程度決まったパターンがあり、算数は順番に難度が高くなるようにつくられています。ですから、基本的には前から順番に解いていけばよいはずです。一方、国語では、知識や漢字は文章題の中にではなく、独立問題として出題されているケースがほとんどです。一般的には知識・漢字から解き始める方が得点はとりやすいはずですので、そのように伝えてあげてください。
②「『見直し』に頼らずに、1回目で正しい答えを出しなさい」 テストのときに「ちゃんと見直しをしなさい」と声をかけられる保護者の方もいらっしゃることでしょう。塾の計算テストや学校のテストであれば、見直しのための時間もあるかもしれませんが、入試問題では見直す時間をとれることはまずないはずです。これは「公開組分けテスト」でも同様です。難しい問題を最後まであきらめずに考え続けて、最後の1分で答えが出る、そんなイメージになるわけです。算数の計算ミスや、国語の「記述問題」の書き抜きミスなどを見直している時間はありません。
このポイントは、小3段階からしっかりと意識させていきたいと考えています。ご家庭でも「見直すよりも、一回で正しい答えを出すようにしなさい」とお声がけください。
③「問題をよく読んで、何を答えるのかを間違えないこと」 算数で「兄の年齢」を問われているのに、「妹の年齢」を答えて×をもらうというケースがよくあります。国語でも「あてはまらないもの」を選ばせるのに、「正しいもの」を必死で探しているという生徒を見かけることもよくあります。「答え」として解答欄に書くべきものを間違えてしまうと、考え方や解き方は正しいのに×になってしまいます。まずは設問の中から「何を答えるのか」をしっかりとらえさせるようにご家庭でもご指導ください。
この点に関しては比較的簡単にご家庭でもトレーニングができます。算数でも国語でも、設問を読んで「問われている部分」に線を引くような練習をすればよいだけです。たとえば、「傍線3『こうしたなか』とありますが、どのような『なか』をさしていますか。本文中の言葉を使って四十字以内で答えなさい」という設問の「どのような『なか』」に線を引くだけです。算数であれば「これらの分数の中で一番小さいものを求めなさい」で「一番小さいもの」に線を引けばよいのです。もしよろしければ、テストの前日に10分間程度やってみるのもよいと思います。
テストで実力を発揮できなければ、実力通りの結果は返ってきません。そこで一番心配な点は、お子様ご自身で「その結果が自分の実力なのだ」と思ってしまうことです。どんなテストでも実力が発揮できるように、練習を積み重ねていくことは、学力を伸ばすのと同じくらい重要なことだと考えています。
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