四つ葉cafe 福田貴一中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『You’re the HERO.　～桜より先に、咲いてやろう。～』

2022.01.07

１月７日。すでに首都圏での中学入試は始まっています。埼玉県の私立中入試の解禁日は１月１０日ですが、茨城県の私立中は一足早く入試が行われ始めます。帰国生入試は１１月・１２月から始まっています。

毎年、この時期に早稲田アカデミーでは受験生を応援するポスターをつくっています。『You’re the HERO．』というテーマのポスターです。各校舎にも掲示されていますし、電車の中にも掲出していますので、ご覧になられた方も多くいらっしゃると思います。毎年、このポスターを見ていると胸が熱くなってきます。

受験生に向けて、「応援しているよ」「がんばれ！」という言葉をかけるのは簡単です。しかし、その言葉が上滑りをしてしまうような気持ちになることも、ときにはあります。先生の励ましや応援の一言が、受験生の気持ちを奮い立たせることもあるでしょう。ただ、目標に向かって本気でがんばっている姿を見ると、「がんばれ」という言葉が軽くなってしまうような気がしてくるのです。冬期講習会の授業後、自習室で志望校の過去問に必死に取り組んでいる生徒の背中を見ると、かける言葉が見つからなくなってしまうことがあります。

この「You’re the HERO．」のポスターに書かれているメッセージは、「がんばれ」ではなくて、「いままでがんばってきた自分を信じて、自分のためにあと一歩。そして合格を手にしよう」という、そんなイメージでつくられています。最後の最後に、受験生に届けたい言葉はこんなメッセージなんだと、毎年思います。

今年の中学受験「You’re the HERO．」のポスターには、「初めて見せた本気の顔。キミは、いつからこんなにたくましくなったんだろう。」というキャッチコピーが書かれています。

今年のお正月に、本当にそんな想いを抱きました。正月特訓である校舎に行った際に、そこでNNの授業を受けている生徒の中に、私が以前教えていた生徒がいました。小学校３年生からの２年間、直接授業を担当していたのですが、その後に私が校舎を異動したために会っていませんでした。その生徒が小６受験生となって正月特訓に参加していました。授業を受けている様子を見ていたのですが、私に気が付いていたのか、いないのかはわかりませんが、先生の解説を必死になって聴いている表情に、「たくましくなったなぁ」という想いを抱きました。私のなかでは、小学校３年生のときの顔がオーバーラップして、胸が熱くなりました。小３からここまでの約４年間、いろいろなことがあったと思います。うれしかったことも、つらかったことも……。その一つひとつの経験が成長につながり、大きな目標を前に強い意志で立ち向かっていこうとする表情や視線。声をかけることはできなかったのですが、心のなかでエールを送りました。きっと笑顔の春を迎えてくれることでしょう。

この時期になると、受験生たちのここまでの日々が思い出されます。今年の受験生たちは、小５になるタイミングでコロナ禍となり、学校休校などの大変な時期を過ごしてきた生徒たちです。不自由な生活を余儀なくされた時期もありましたし、常に感染症の不安がつきまとった受験への準備期間でした。そして現在も「オミクロン株」による感染拡大が大きな話題となっています。

本来の受験生たちが感じる「合格できるか」「入試当日に実力を発揮できるか」といった不安だけではなく、ウイルスという未知なもの、目に見えないものに対する漠然とした「不安」がよぎることもあるでしょう。
ただ、私からは、受験生たちは本当に「大きく」「強く」見えています。校舎に自習に来ている受験生たちも、日曜日にNNで会う受験生たちも、我々の激励の言葉に笑顔で返してくれます。自分の大きな目標に向けて、やるべきことに必死に取り組んでいる、その姿はとても頼もしく見えるのです。世界が大変な状況のなかでも、いま自分が目指すところに向けて、歩みを止めずに進んできた、そんな自信が背中から感じられます。

「桜より先に、咲いてやろう。」

今年の「You’re the HERO．」のポスターは、この言葉で締めくくられています。受験生が、自分自身に言い聞かせる言葉なのでしょう。受験生を応援する言葉としては最高の表現のように思います。

今年は、この「You’re the HERO．」の動画もつくられています。名曲「威風堂々」に乗せて受験生たちの姿が描かれています。「威風堂々」と胸を張って、入試当日の門をくぐり、自分の手で未来をつかみ取ってきてほしいと強く祈っています。