『To Do 30』
2022.03.09
月初に(月末の場合も多いのですが)、その月にやることを「30個」書き出すという習慣を続けています。「やらなければならないこと」「やるべきこと」だけではなく、「やっておいた方がよいこと」「できればやりたいこと」までを考えながら、30個(もしくはそれ以上)書き出すという作業です。約1時間程度かかるのですが、この作業をすることで、自身の頭の中を整理することができます。このリストをもとにして、週単位や日ごとの「タスクリスト」を考えていきます。
この「To Do 30リスト」のポイントは、「必ず30個の項目を考える」という点にあります。「今月のTo do」と考えると、10~20個くらいの項目はすぐに出てくるのですが、そこから先はなかなか思いつきません。すぐに思いつく項目の多くは、どちらかというと「近視眼的」なものになりがちです。また「やらなければならないこと」がほとんどです。しかし、残りの10個をいうなれば「ひねり出す」中で、視野が広がっていく印象があります。「今週から来週」というような短期的な視点ではなく、「来月以降」も見据えて考えていくようになってきます。また、考える範囲も「自分の仕事」だけではなく「校舎全体」と広がり、場合によっては「仕事」だけではなく、「プライベート」のことも含めて思いついてきます。そして「やっておいた方がよいこと」が出てくるのです。たとえば、「最近連絡をさしあげていない生徒のご家庭への電話」といった内容がここで出てくるようなイメージです。担当クラスの生徒一人ひとりの顔を思い浮かべながら、「そういえば○○さんは、ここにきて少し成長してきている感じがするから、お伝えする電話をしておこう」ということに思い至るわけです。そして「〇〇さん、TEL」というリストが書き加えられます。
さて、この手法は小学生にも応用ができると考えています。ただ、「To doリスト」「タスクリスト」というのは小学生にはあまり適さないでしょう。よくおすすめする「学習計画表」は宿題を一週間のスケジュールに落とし込む、いわゆる「タスクスケジュール管理」というイメージではありますが……。
私が小学生の皆様におすすめしているのは、「Wish list」です。それも一カ月という単位ではなく、年間単位での「こうなりたい・こうありたい」というリストの作成です。お正月や新年度のスタートなどに、今年は「こんな風に過ごしたい」「この目標を達成したい」ということをお子様自身に考えてもらうわけです。勉強や学習に対するものだけではなく、習い事や学校生活、家庭での習慣なども含めて幅広く考えるようにさせてあげてください。「朝は起こされなくても起きる」「友達をたくさんつくる」といったところからでかまわないわけです。
そして学年によって異なりますが、やはり「思いつくだけあげる」ではなく、項目数を初めに決めてから考えさせることで、視野視点が広がっていくはずです。小1・小2生くらいであれば5つ程度でもよいかもしれません。小3生以上になると10個は考えることができるでしょう。
塾での学習で考えると「クラスを上げる」という項目がすぐに思いつくはずです。もちろんいま最上位クラスにいらっしゃるのであれば「クラスを維持する」というものになるでしょう。実はこの「Wish」から「To do」につながっていくのです。「クラスを上げる」→「成績を上げる」→「苦手な算数を克服する」→「計算ミスをなくす」→「計算の宿題をきちんと丁寧にやる」という流れで考えていくわけです。ここの部分は保護者の皆様もご一緒に進めていただくのがよいと思います。
もうすぐ「春休み」。4月からは小学校でも新学年となりますので、よろしければこの機会に考えていただくのはいかがでしょうか。
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