四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『帰省先での会話』

2023.08.02

夏休み、いかがお過ごしでしょうか。全国的に「危険な暑さ」という言葉がニュースなどでも取り上げられています。気がついたら、あまり梅雨らしさを感じないまま梅雨も明けてしまったようですし、今年の夏は「猛暑」を超えた「炎暑」などとも言われているようです。お子様も保護者の皆様もお気をつけください。


夏休み前の保護者会では、「充実した夏」にするための一番のポイントは「体調管理」とお話しさせていただきました。「夏期講習会」も「ご家族での旅行」も、体調がよくなければ、頑張ることも楽しむこともできません。暑さに気をつけていただき、規則正しい生活で体調を崩さないようにしていただければと思います。


夏休みにはいろいろな方と触れ合うことがあるはずです。お父様やお母様のご実家で、ご親族とお話しなどをされることは、お子様にとって大きな「刺激」となり、精神的成長にも大きくつながるものと考えています。さらに自分とは生活環境や年齢が異なる方と触れ合うことは、「他者理解」にもつながります。将来の世界で必要とされる「協働力」、そのスタートラインは自分とは異なる他者をいかに理解し、許容するか(他者理解)にあります。そのためにも、多くの方と触れ合う経験は大切なことだと思います。


さて、さまざまな方とお子様が会話をするときのことを少し具体的に書かせていただきます。お子様がご親族と会話している場面をご想像ください。わかりやすいように叔母様との会話を例に出してみましょう。
(叔母様)「夏休みの宿題はたくさん出ているの?」
(お子様)「うーん……」
(お母様)「ほら、自由研究とか日記があるでしょ」
(お子様)「うん、自由研究とか、日記とか……」
そんな会話になっていませんでしょうか。お子様が答える前に、「親が先回りをして」答えてしまうような感じに。このタイプの会話では、他者との触れ合いによって精神的な成長を促すことにはつながらないのはおわかりいただけるはずです。そして逆に「依存心」を高めることにもつながりかねません。お子様にとって「自立」をすることは、成長するためにも成績を上げるためにも必要なことになるはずですが、「依存心」が強ければ強いほど、「自立」のためにはマイナスになってしまいます。


では、親はなぜ「先回りして」答えたくなってしまうのでしょうか。一つには「聞かれていることにちゃんと答えさせなければならない」という心理が働いているのだと思います。ただ、お子様に対して何かを問いかけてくる大人は、本当にその質問の答えを知りたいとは思っていないはずです。単にお子様とコミュニケーションをとろうとしていることが、ほとんどでしょう。となれば、やはりお子様に考えさせて答えさせることが大切だと思うのです。


もう一つは「きちんと答えられないと恥ずかしい」という親の心理です。そのお気持ちはわからないではないのですが、一方で「親に教えてもらわないと答えられない」というように思われるのも、決して「かっこよい」ものではないでしょう。


「相手の質問の意味を理解し、どう答えればよいのかを考え、それを表現する」という、いろいろな面において大切なトレーニングを、お子様はいろいろな方との会話の中において行っているわけです。その点をご理解いただくことで、お子様の成長につながるような「親としての接し方」をイメージしていただくことができると思います。

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