『まずは「授業の受け方」を身に付ける』
2023.07.19
いよいよ今週末から、早稲田アカデミーでは夏期講習会が始まります。小学生・中学生にとって「一年間で一番成長する時期」が夏休みです。早稲田アカデミーの講師も事務スタッフも夏期講習会に向けた準備を進めているところです。
夏期講習会は朝から授業が行われます。我々、進学塾の職員は、普段は夕方から夜の授業なので、どうしても生活が「夜型」になってしまっていますから、「朝型」の生活への切り替えも必要になってきます。朝から元気な生徒たちと「真剣勝負」の講習会授業に臨めるように体調を整えておかないと……というところです。 小学生の生徒たちにも「夏は早起きをして」と毎年話をしています。講習会の授業をしっかりと受けて身に付けるためには、頭脳が100%回転していることが必要です。寝坊をしてボーっとした状態では、集中力も上がりません。早起きは講習会授業をきちんと受けるための一つのポイントとお考えいただくとよいでしょう。
今回は、夏期講習会の学習効果を高めるために(早起きだけではなく)、「授業の受け方」「ノートの取り方」に関してアドバイスをさせていただきます。夏期講習会は通常の授業よりも時間が長いため、当然授業内で扱う学習内容も多くなります。それらをきちんと定着させるためには、正しい「授業の受け方」を理解しておくことが必要です。私も小3・小4を夏期講習会で担当するときには、「授業の受け方」そのもののレベルアップを一つテーマとして毎年授業を行っています。
「正しい授業の受け方」といっても、難しいことではありません。その日の授業で教わったことは、その授業内で身に付けて(覚えて)帰る、その一点です。ただ、実はそれを意識して授業を受けている生徒は意外に少ないものです。まずはそこからお子様にお伝えいただきたいと思います。小学生にとって、家に帰ってからもう一度テキスト・ノートを見て、授業を振り返り、身に付いていないものを思い出して定着させるという「復習」の過程を完璧に行うのはなかなか難しいものです。授業中に集中して聞いて、聞いたことをノートにとることでその場で復習し、身に付ける。家に帰ってからは、宿題となっている問題を解くことで、教わったことを再確認する。そんな学習スタイルの方がうまくいくはずです。
また、早稲田アカデミーの授業では、先生が解説をしながらホワイトボードに書いているときは鉛筆を持たない、ということをルールとしています。集中して聞くことでまずはしっかりと頭の中に入れるように指導しているわけです。次に「はい、書きなさい!」と指示をしてノートをとらせます。このノートをとっているときに、我々は一人一人の生徒が理解できているかを確認できます。頻繁に顔を上げながら、一字一字丁寧に書いている生徒がいます。こういった生徒はノートを丁寧に書くことはできているのですが、しっかりと頭に入っていないことが多くあります。逆にホワイトボードをじっと見て、一気にある程度の部分まで書き切ってしまう生徒がいます。頭の中に入れてから書いているので、それがそのまま「復習」になるので定着度は高くなるわけです。
さらにここに関しては、教授法のノウハウがいくつかあります。たとえば非常に重要なことを教える場合、あえて全てを黒字で書いて、生徒に写させ、全員が写し終わったあとで、赤や青のペンで重要なところをチェックさせていく、という方法があります。聞いている段階でまず頭の中に入れ、さらに自分で書くことで「復習」し、もう一度重要なところに色をつけることでもう一段階を演出するわけです。
もしご家庭でノートを利用した復習をされる場合は、お子様のノートを預かって、書かれている内容を口頭で確認していくのがよいでしょう。たとえば、次のように書かれているノートがあったとしましょう。 『1とその数以外に約数を持たない数→素数』 『同じ数字を2回かけた数(平方数)の約数の個数は奇数』 このようなときには「1とその数以外に約数を持たない数をなんていうんだっけ?」「約数の個数が奇数になるのはどんな数?」と聞いてあげればよいわけです。よろしければお試しください。
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