『ハチマキを冷凍庫で保存してある』
2023.09.06
今週の初めから、新学期の授業がスタートしています。無事にスタートダッシュはきれましたでしょうか。季節の変わり目は体調を崩しやすいともいいますし、夏の疲れも出てくる時期ですので、皆様もお子様もお気を付けください。かくいう私も、夏期講習会が終わった「気のゆるみ」からか、もしくは夏の疲労からか、溶連菌に感染して扁桃腺炎で高熱が出てしまいました。発熱した時点では、「新型コロナウイルスか、インフルエンザか」と思ってヒヤッとしたのですが、病院での検査はいずれも陰性でした。ところが、喉の痛みを訴えたところ、すぐに溶連菌の検査をされ、陽性が出てしまいました。「子どもがかかる病気」というイメージを持っていたので、「まさか自分が」と思ったのですが、それ以上に驚いたのが「喉の痛みのつらさ」でした。大人がかかると症状が重くなる場合が多い、と医師が言っていたのですが、食事も水分もとれなく、かなりまいってしまいました。まだ、声はかすれているのですが、やっと回復してきたところです。
今年はまだまだ残暑が厳しく、新聞などで「スーパー残暑」という文字を見かけることもあります。東京では「連続熱帯夜記録」が更新されたとか。まだまだ体力的に厳しい時期が続きますので、体調にはご注意ください。
さて、「春眠暁を覚えず」という言葉がありますが、秋も眠くなることが多くありませんか。9月の初めはまだ残暑を厳しく感じていても、これから暑くもなく寒くもなく、寝苦しさなども感じずにいられる時期になると、何となく眠くなりやすくなる気がします。これについては、季節の変わり目で体調を整えるために身体が睡眠(休息)を欲しているとか、夏の疲れが出るとか、さまざまな説があるようです。
小学生のお子様も秋になると眠くなるという話をよく聞きます。特に小6受験生は……。私も小学6年生の秋の保護者会では「これからの時期、眠くなるお子様が多くなります」という話をさせていただくのですが、それは「過ごしやすい気候」だからではありません。
実は受験生がよく眠気を感じるのは「現実逃避」の場合もあるのです。もちろん、学習内容が高度になり、授業での学習密度も高くなっていますから、頭が疲れてしまって休息を求めていることも考えられます。しかし、ある程度きちんと睡眠をとっているにもかかわらず眠気が続くような場合は、「受験に直面する現実から逃げてしまいたい」という無意識の状況の可能性があります。とは言っても、それは特別なことでも、困ったことでもありません。受験生であれば多かれ少なかれ経験するものです。
保護者の皆様も、高校や大学でのテストの前、一夜漬けでなんとかしなければならないときに(一夜漬けなどはしない方がよいのですが……)、眠気を感じたことはありませんか。もしくは、「ちょっと気分転換に」と手に取った文庫本に引き込まれて、時間を忘れて読みふけってしまったことはありませんか。実は、この眠気も読書に引き込まれる意識も、ある意味「現実逃避」なのです。
眠ってしまえば、とりあえず「明日のテスト」は忘れられます。読書に没頭している間も同じです。直面しているつらい現実から、ちょっと逃げたいという気持ちの一つの現れといえるでしょう。現実逃避に最適なのはゲームだと言われることがあるようです。ゲームの中の仮想世界に「逃避」をすることで、現実から少し離れることができるのかもしれません。
一方で、学習面において睡眠は非常に重要なものだそうです。学習した内容をきちんと記憶として定着させるためには、しっかりとした睡眠が必要だそうです。その点でも夜の就寝時間を決めて、その時間になったらきちんと寝るようにすることが大切です。当たり前ですが、受験生だけではなく、小3~小4の生徒のみなさんにとっては生活習慣を整えるためにもより大切なことです。
「現実逃避」の眠気というのは、勉強しているときに襲ってくる場合が多いはずです。そんなときには、ちょっと飲み物を飲んだり、顔を洗ったり、誰かと少し会話をすることで、眠気は冷めていくはずです。お子様から「眠い……」と相談されたときには、そんなアドバイスをしていただくとよいと考えています。夏の集中特訓でもらったハチマキを洗って、ちょっと濡らして冷凍庫に入れてある、という生徒の話を聞いたことがあります。なんのためか、もうお分かりでしょう。
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