『お子様に合ったクラスで……』
2024.09.25
今週に入ってから、急に秋めいたお天気になってきました。月曜日には半袖のワイシャツで出勤していたのですが、夜の帰り道では肌寒く感じて、急ぎ足で帰宅しました。季節の変わり目、寒暖差で体調を崩しやすくなりますので、皆様もお気をつけください。生徒たちにも、「昼間は半袖でも、夜は寒くなることもあるから、羽織るものを持ってくるといいよ」と声をかけています。
さて、本日の記事はお子様の在籍するクラスに関して触れさせていただきます。新しく入塾される方からは「どのクラスでスタートできるのか」というご質問をいただくことが多いですし、お通いの方からも「クラスを上がるためにはどうすればよいのか」というご相談をいただくことも多くあります。今回はそんなご質問やご相談にお答えできればと思います。
まず初めに、小学生の学習においてとても大切なことは、そのお子様の「いま」をしっかりととらえて、その状況に合った学習を進めることだと、私は考えています。
例えば、スイミングクラブに初めて通うのに、いきなり選手コースから始めることはないはずです。まずは水に慣れるところから、その次はビート板を使ってバタ足の練習をして……、そんなカリキュラムで練習を進めていくはずです。その他のスポーツでも、ピアノなどの楽器の習い事でも、初めからレベルの高いところにチャレンジしていくのではなく、まずはしっかりと基礎や土台を固めていくという視点が大切だと思っています。 塾での学習ではいかがでしょうか。やはり「できれば上位のクラスに」とお考えの方も多いでしょう。最終的に上位の学校への合格を目指すのであれば、偏差値の高い生徒が多いクラスに入っておきたいというお気持ちもわからなくはありませんし、受験学年では上位クラスにいなければ最難関校の入試問題への対応は難しくなってしまいます。しかし、小3~小4の段階では、お子様の「いま」の状況に合っていないクラスで授業を受けていても、成績は伸びないどころか、下がってしまう危険性もあるのです。
「上位クラスの方が『いい先生』に教えてもらえるのでは……」というご質問をいただくことがあります。そもそも「いい先生」というのがどのような先生を指すのかも難しいところなのですが(指導経験の長い先生、熱意のある先生、面倒見のよい先生……など)、進学塾では必ずしもそうではありません。かく言う私も、年によって担当クラスは変わります。一昨年は小4の真ん中のクラスを担当していましたし、昨年は2番手のクラスを担当していました。私が考える「いい先生」とは、お子様の状況をしっかりと把握している講師だと思っています。そういう視点で講師研修などでは、「難関中受験のスペシャリストを目指して、入試問題研究をするのは塾講師として絶対に必要なことではある。ただ、それよりも大切なことは、目の前の生徒一人ひとりのスペシャリストになることだ」という話をしています。
「上位クラスの方が『カリキュラムが速かったり』『いろいろなことを教えてもらえたり』するのでは……」というご質問をいただくこともあります。ご存知の通り、早稲田アカデミーでは四谷大塚の『予習シリーズ』カリキュラムを使っておりますので、その週に学習する内容は大きくは変わりません。つまり、どのクラスでもカリキュラムの進度差はないのです。さらに「教える」内容については、場合によっては上位クラスの方が少ないこともあります。その週で学ぶべきことが「10」ある場合、上位クラスでは「3」しか教えず、あとの「7」は自分で考えさせるという手法をとることがあります。それまでの学習経験などから、自分で考えることに慣れていなかったり、その科目や単元の学習に未熟な部分を残したりしているお子様の場合、当然「わからない」「できない」部分を多く残してしまうことになってしまうのです。
早稲田アカデミーでは「マンスリーテスト」や「公開組分けテスト」の結果をもとに、各校舎でのクラス分けは実施しています。10月の初めに実施されるテストでクラスが変わる方もいらっしゃるはずです。クラス編成については、進学塾ですから成績(偏差値・得点)をもとに実施していますが、お子様の学習状況や授業での理解度・吸収力などを加味して決定することもあります。お子様にとって、いま在籍しているクラスが合っているのかどうか、どのような点を伸ばしていけば上位クラスに進むことができるのか、そんなご不安を感じられたら、お子様の学習状況や授業での理解度・吸収力などを把握している担当講師まで、ぜひご相談ください。
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