『雪はどうして降るのかを考える』
2019.02.15
関東地方でも先日降雪がありました。気象予報では「大雪になるかも」という情報もあったのですが、結果としてはそれほどでもなく、うっすらと積もった雪はすぐに解けてしまいました。交通機関の乱れもなく、特に受験生への影響が少なかったことに、ちょっとホッとしたところです。数年前は1、2月に関東地方でかなりの大雪が降り、中学入試・高校入試・大学入試それぞれで大きな影響が出たことを思い出しました。
小学生の場合、雪が降ると喜ぶ生徒の方が多いのではないでしょうか。もちろん、寒さが苦手で家の中にこもっているお子様もいらっしゃるかもしれませんが、多くのお子様は外で雪と戯れて遊んでいるようです。日常的に雪が降る地域にお住まいの方にとっては珍しくないばかりか、場合によっては「雪害」と呼ばれるような被害をもたらすものですから、雪が降ったからといって喜ぶことはないでしょう。しかし、首都圏にお住まいのお子様にとっては、非日常的な出来事なので、なんとなくワクワクしたりするのだと思います。
さて、水が凍るときの温度は0度です。しかし、東京で雪が降るときの最低気温は約1度~3度で、氷点下にはなることはほとんどありません。では、なぜ雪は解けずに降るのでしょうか。
小学生がよく不思議に思う内容です。ぜひお子様に聞いてみてください。お子様はなんてお答えになるでしょうか。実は専門的に解説をすると、この問題には二つの段階の説明(考え方)が必要になります。
まず一つ目は、「雪はどこでできるのか」という点です。水分が凍って雪になるのは上空です。そして、上空の気温は地上付近と比べて非常に低いということに思い至れば、小4段階としては合格点でしょう。地上の気温が3度くらいのとき、地上1,500メートルではマイナス3度からマイナス6度になるそうです。もちろん、すぐに自分で考えつくことはないでしょうから、「雪が凍るのはどこかな?」「そこの温度はどうかな?」というように、考える道筋をつけてあげることも必要なはずです。
二つ目は「上空でできた雪はなぜ解けないで地上まで降ってくるのか」という点です。上空で凍ったとしても、地上付近が0度よりも高ければ、そこで解けてしまう、と考えるのが普通のはずです。しかし解けずに降ってきて、さらに積もっていくのはなぜなのでしょうか。大人でも「あれ?確かにそうだな……」と首をひねってしまう方がいらっしゃるのではないでしょうか。実は、この点には湿度が影響しているそうです。湿度が低いと、雪が解けることによってできた水が蒸発しやすくなります。この水が蒸発するときに、周りから熱を奪ってしまうことで雪の温度が上がらず、雪が解けにくくなるのです。
二つ目については、小4の時点では学習していませんし、自分で考えつくのも難しいでしょう。お子様に説明とするとしたら、例えば、注射をするときにアルコール綿で腕を拭くとヒヤっと感じるのと同じ原理だよ、と教えてあげることができます。身近な事象がさまざまなところでつながっていることがわかると、理科に関しての興味も湧いてくるのではないでしょうか。
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