『中学入試というドラマ』
2019.02.27
中学入試を題材としたテレビ番組が今年もいくつか放送されました。親子の受験を描いたドラマであったり、実際の受験生に密着取材をしたドキュメンタリーであったり……。ドラマはもちろんフィクションですし、ドキュメンタリーであったとしても、テレビ番組ですからある程度脚色されていたりすることもあるでしょう。ただ、どんな番組であれ、目標に向かって一生懸命に努力する小学生の姿は、感動的なものとして描かれているようです。
私自身が中学受験生であったころは、中学受験そのものがメジャーなものではありませんでした。そして、その後の「中学受験ブーム」と呼ばれた時代は、入試へ向けて夜遅くまで塾に通ったり、遊ぶのを我慢して勉強に取り組んだりしている小学生に対して、「そこまでしなくても」「かわいそう」というような風潮がありました。しかし、いまの時代は「大きな目標」に向かう小学生たちを応援するような見方が強くなっているため、マスメディアなどでの取り上げ方も変わってきているように思います。
テレビで報道されるドラマは脚色されていて、より感動的に写るようになっているとは思いますが、それ以上のドラマが実際の入試の場面では起こっています。今年私が直接担当していた受験生たちにも、それぞれのドラマがありました。詳しいことは書けませんが、1月から2月にかけてのことを思い出すと、私の中にもさまざまな感情がよみがえってきます。入試当日の朝、応援に行っていた私の目の前で号泣した生徒、絶対に大丈夫だと思っていた学校が不合格となったが、そこから立ち直って第一志望校への合格を勝ち取った生徒、掲示板の前から「受かった!」と電話をしてきてくれた生徒……。彼らの顔や声はきっと一生忘れないでしょう。私にとってもそうですから、きっと受験生本人、そしてお父様・お母様にとっては、その何倍もの想いのつまった入試時期だったと思います。
早稲田アカデミーでは「中学入試合格実績速報」として、チラシに合格者名簿と合格体験記を載せて、お届けしています。すでに皆様のお手元に届いていると思いますので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。まだご覧になっていらっしゃらない場合は、お通いの校舎にご連絡いただければお渡しできるはずです。チラシに載っている「合格体験記」は紙面の都合上、非常に短いものになっていますが、それぞれの受験生たちの想いを垣間見ることができます。さらに、4月上旬には「サクセスロード」という、今年の中学入試結果をまとめた冊子を皆様にお届けするために、いま準備を進めているところです。チラシよりも多くの「合格体験記」を載せるだけではなく、各学校の合格者へのインタビュー記事などを掲載する予定です。その冊子の中に、「保護者座談会」というページがあり、志望校への合格を勝ち取った生徒の保護者の皆様に、さまざまな経験をお話しいただいているのですが、実は私がその座談会の進行役を務めさせていただきました。興味深いお話がたくさんありましたので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。
座談会の中で、あるお母様が「うちでは別に特別なことはしていなくて……」とおっしゃっていたのですが、これから受験へ向かわれる皆様が一番知りたいのは、「特別」なことではなくて、「ちょっとした工夫」だったり、「普段の様子」だったりするのではないでしょうか。話題になるのは「変わった勉強法」や「特殊なやり方」かもしれませんが、それは本当にごく一部の方にしか当てはまらないものだと私は思っています。
最後に「座談会記事の予告編」をひとつ。テーマのひとつとして「お子様の学習場所」についてうかがってみました。面白かったのは、お越しいただいた方全員が、「最後までリビング学習だった」という点です。その理由をうかがってみたところ、リビング学習には私も気が付いていなかった一つの「利点」があることがわかりました。ここから先は3月13日(水)の「基礎から学べる中学入試報告会」にて。
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