四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『「割合」を身に付ける』

2019.11.27

小学校4年生の算数カリキュラムでは、今週、予習シリーズ第13回の「割合(1)」の学習を行いました。割合は、将来「比」の学習につながっていき、中学受験では1番といってもよいくらい大切な単元です。初めて学習をするこのタイミングで、しっかりと身に付けておくようにしてください。


「水が氷になるとき体積は11分の1増えることになります。では、氷が溶けて水になるときには、体積は何分のいくつ減るでしょう」


いかがでしょうか。保護者の皆様はパッと答えることができるでしょうか。実は割合の古典的な問題なのです。「11分の1増えるなら、減るのも11分の1でしょ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん答えは違います。


割合の導入では、「もとになる量」と「くらべる量」という2つの要素が出てきます。実はこれらの考え方は学年が上がるにつれて、「なんとなく」理解できるようになってくるのですが、最初のところでしっかりと身に付けておかないと思わぬところで間違えてしまうことがあります。ここの部分がきちんと定着していないことで、算数そのものが苦手になってしまうということも、大げさではなく実際に起こりうることなのです。


「400人の学校があります。そのうち女子生徒は240人います。女子生徒の割合を求めなさい」という問題であれば、「もとの量」は全校生徒の400人、「くらべる量」は240人、とわかりやすいはずです。計算としては「240÷400」となりますので、答えは「5分の3」と出てきます(紙面上では分数の表記が難しいので、ご容赦ください……)。


水と氷の問題にもどりましょう。わかりやすいように11Lの水があったことにします。水から氷になるときは、水が「もとの量」となりますので、その11分の1にあたる1Lが増えることになります。つまり氷は12Lとなるわけです。もちろん氷から水になるときも同じ量である1Lが減ることになるのですが、ここで問題になるのは、「もとの量」です。氷から水になるのですから、この時点で「もとの量」は氷と考えなければならなくなります。氷の体積は12Lですから、減る量が1Lだとすると、その割合は12分の1となるわけです。これが正解となります。


「ある学校の今年の生徒数は200名です。これは昨年よりも3分の1増えた数字です。昨年の生徒数は何人ですか」という問題も、「もとの量」と「くらべる量」を間違えやすい問題です。理解が不十分だと、今年の生徒数である200名を「もとの量」として考えてしまう可能性があります。12月の「公開組分けテスト」でも出題される可能性のある問題ですので、もしよろしければお子様と考えてみてください。
正解は「150名」です。


さて、小4で割合を学ぶのは今回だけですが、その単元名は「割合(1)」と表記されています。「割合(2)」はどこにいってしまったのでしょうか。実は、小5予習シリーズの上巻第4回に出てくることになるのです。「速さ」も小4で(1)を学び、小5上巻になってから(2)が出てきます。さらに「場合の数」は小4で(1)(2)を学習し、小5上巻で(3)(4)と学ぶことになります。小4算数カリキュラムは「小数・分数」といった基本的な計算ツール学習が終了したところで、小5につながる「中学入試最重要単元」の導入となっているのです。しっかりと「初めの一歩」を踏み出すことができるように、この冬の学習を応援してあげてください。

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