『大切なもの ~お子様に対する想いを受け止める~』
2019.12.06
保護者の皆様とお話しさせていただくときには、今でも緊張します。それは、大きな会場で実施する講演会でも、校舎の保護者会や個別面談でも同じです。早稲田アカデミーの講師として、経験やそれなりの知識はあると思っておりますので、お話しさせていただく内容に関してはそれほど不安を感じることはないのですが、そのもっと手前のところで、漠然とした不安を感じている、というのが本音です。 その不安の正体は、「『保護者の皆様の想い』にお応えできるのだろうか」という自問だと思っています。
保護者の皆様が進学塾に期待されることは、もちろん志望校への合格でしょう。そして、そこにつながる成績の向上であることは間違いありません。しかし、「単に合格するためのテクニックを教えてくれればよい」とお考えの方は、多くないと考えています。「勉強に対する前向きな気持ち」「壁を自分で切り拓いていく強さ」「自ら能動的に学習する姿勢」……お子様のそんな力や気持ちを育むことで、結果として合格に導いてほしいとお考えの方が多いのではないでしょうか。そして、その先に見ていらっしゃるのは、お子様の輝かしい未来。
親にとって、人生で一番大切なものは子どもでしょう。その一番大切なお子様をお預かりしている、ということは、保護者の皆様は我々にお子様の未来を託してくださっているのだと、私は考えています。そのご信頼やご期待にお応えできているのだろうかと、私は不安を感じるのです。早稲田アカデミーや校舎として、また一講師として、「保護者の皆様の想い」にお応えできているのだろうか、その想いの強さや重さに見合った授業や保護者会をご提供できているのだろうか、と。
講師としての経験からも、また早稲田アカデミーの指導スタイルやカリキュラムからも、自信はあります。多くの進学塾のなかで、合格に最も近い塾の一つだ、と自負もしています。ただ、それだけでは保護者の皆様のお子様に対する想いにお応えするには、まだまだ不十分なのだろうとも思っているわけです。この点において、妥協は絶対にしたくはないし、するべきではないと考えています。
私は校舎の入塾説明会で、いつも「合格させるだけではなく、『早稲田アカデミーで入試に取り組めてよかった』と言っていただける塾」であることをお約束しています。
ある年の1月31日。第一志望校受験日の前日に、受験生のお母様からお手紙をいただきました。そのお手紙は、今でも私の宝物になっています。
「いよいよ明日、入試を迎えることになりました。ここまでの3年間、親子ともども本当にお世話になりました。(中略)入試が終わって、万一合格できていなかったら、素直な気持ちでお礼を申し上げることはできないような気もします。また、合格していたら『受かったことのお礼』のように聞こえてしまうかもしれません。ですから、入試の前に感謝の気持ちをお伝えしたくてお手紙を書かせていただきました。今まで本当にありがとうございました。入試までの日々を早稲田アカデミーで過ごせたことに、そして先生方に本当に感謝しています」
そんなお手紙でした。保護者の皆様の「お子様に対する想い」を正面から受け止めること、大切なお子様の未来を託していただいているという思いを胸に抱き続けることが、進学塾で働く者として忘れてはならない使命だと、改めて感じさせられるお手紙だったのです。
新しい年度への切り替えを迎える時期となり、保護者の皆様とお話しさせていただくことが多くなります。各校舎では「新年度へ向けた説明会」や「個別面談会」などが実施されます。保護者の皆様の想いにお応えできるよう万全の準備を進めてまいりますので、ぜひ早稲田アカデミーの校舎に足をお運びください。そして、これからも早稲田アカデミーにご信頼、ご期待をお寄せいただければと考えております。
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