『入試直前期の小6受験生へのメッセージ① ~「逆転合格」の理由~』
2019.12.18
今年もあと2週間になりました。「年の瀬」といわれる時期ですが、早稲田アカデミー各校舎では「冬期講習会」そして「入試直前」の時期、つまり1年で最も忙しい時期を迎えています。一部の第一志望入試、帰国生入試などはすでにスタートしておりますが、首都圏の中学入試は1月10日の埼玉県私立入試から本格的にスタートします。そこまで既に1カ月を切っており、文字通りの「直前期」となっているわけです。
中学入試ではよく「逆転合格」という言葉が使われます。合格可能性を判定する模試で「30%」だったのに合格できた、というような話をよく聞きます。この「逆転合格」にはいくつかの理由があります。
1つ目の理由は、志望校の対策を徹底的に行ったことで、その学校への合格を手にすることができたというケースです。模擬試験にはいろいろなタイプがありますが、一般的な「合格可能性判定模試」は標準的な問題が多く出題されます。基本的な問題から応用的な問題まで幅広い出題となっていますので、総合力の判定としては非常に有用です。ただ、特定の学校の出題傾向とは異なることが多いのです。ですから、これらの模試では低い可能性しか出ていなくても、その学校への対策を徹底的に行うことで、「合格力」を高めることができ、その結果合格を勝ち取った、ということもあるわけです。特に最難関中、難関中における「逆転合格」はここに理由がある場合が多いはずです。早稲田アカデミーの志望校別対策コース「NN志望校別コース」からの合格率が高いのも、ここに秘訣があります。
上位中堅校の場合、合格率30%という判定からの合格者はさらに多くなります。合格率80%という数字が取れている受験生は、その学校の志望順位が高くないケースが多いことはご理解いただけるでしょう。私自身、志望校を決める面談で「合格率80%が出ているならば、もう1つ上を目指していきましょう」とお話しさせていただくこともあります。ですから、合格率80%が取れている学校に進学をする生徒は多くないのです。結果として、入学してくる生徒の多くは合格可能性「30%~50%」という生徒が多くなってきます。
逆転合格のもう1つの理由として、「合格可能性判定模試」の実施時期が挙げられます。多くの塾で行われている「合格可能性判定模試」は、12月までに実施されるものがほとんどです。早稲田アカデミーの塾生が必修テストとして受験する「四谷大塚合不合判定テスト」も12月上旬に最終回が実施されます(今年は12月8日でした)。ところが、入試当日まではそこから1カ月以上も期間があります。さらにその期間には、早稲田アカデミーであれば「冬期講習会・正月特訓」という集中して学習できる機会があるわけです。成長途上にある小学生の場合、わずか1カ月でも大きく伸びることがあります。過去にも、受験直前の1カ月で大きく伸びて合格していった生徒たちをたくさん見てきました。そういった生徒たちの場合、模試結果から見れば「逆転合格」なのですが、実際に直接指導にあたっている我々から見ると「合格して当然」という結果だったりすることも多いのです。
先日、ある受験生のお母様から「先生!あと少しですからよろしくお願いします。信頼していますから」というお言葉を頂戴しました。「私ではなくお子様を信頼して、お子様に期待してあげてください。きっとまだまだ伸びますから」とお答えしました。「受験生は入試当日まで伸び続ける」という言葉がありますが、本当にその通りなのです。
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