『新聞記者になりたかった』
2022.03.18
小学生の「なりたい職業ランキング」で男子の上位にきているのは、「会社員」「YouTuber」「サッカー選手」「ゲームクリエイター」「野球選手」でした。女子では、「パティシエ」「看護師」「幼稚園の先生」「会社員」「医師」です。気になったので、平成元年のランキングも調べてみたのですが、あまり大きな変化はないようでした。もちろん「YouTuber」はランクインしていませんでしたが……。
小学校4年生か5年生のときに、「新聞記者」になりたいと思った時期がありました。班でつくった「学級新聞」の作業が楽しかったのと、出来上がった新聞を先生に褒めてもらったのがうれしかったことから、そんな風に思った記憶があります。父親の仕事の関係で、家では複数の新聞をとっており、比較的身近に「新聞」があったからかもしれません。父親が自分に必要な記事を切りとってスクラップブックに貼っているのを見て、自分もやってみたくなり、気になる記事は赤鉛筆で囲っておきました。父は自分の作業が終わった後に、新聞を私に渡してくれていました。たぶん、私が囲っておいた記事にはかからないように、自分の作業(切り取り)はやってくれていたような気がします。父の専門分野と私が気になる記事は紙面が違っていたこともあるのかもしれません。
中学入試の時事問題では、よく「ノーベル賞」が取り上げられます。2020年のノーベル平和賞は「国連WFP(国際連合世界食糧計画)」に授与されましたが、2021年の1月・2月に行われた入試では、SDGsとも関連させて「食」に関する問題が多く出題されました。昨年の「報道ジャーナリスト」の受賞については、中学入試でひとつのテーマとして取り上げるのは少し難しいとも思っていたのですが、やはり「食」ほどは取り上げられていなかった印象です。
そんな中で面白いと思った問題は、広尾学園の社会の記述問題でした。「民主主義社会におけるインターネット上のフィルターバブルの問題点」について論じさせる問題です。総務省のHPによると、フィルターバブルとは、「アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の『バブル(泡)』の中に孤立するという情報環境を指す」となっています。この内容をわかりやすく説明した文を読んで、民主主義社会にも触れた上で問題点を記述させるという問題でした。「報道」とは直接的には関係ありませんが、もう少し幅広い「情報」という視点での出題になっています。
現在、ウクライナで起こっている戦争においても、「報道」「情報」というニュースが連日扱われています。また、今年高校に入学した生徒からは、大学入学共通テストで「情報」という教科が出題されることにもなっています。
来年の中学入試でもひとつのテーマとして取り上げる学校も出てきそうな予感がしています。
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