『台風1号は「マラカス」、台風10号は「トカゲ(予定)」』
2022.04.20
先日の記事で台風1号が発生した、と書かせていただきました。その台風1号の名前は「マラカス」でした。そのニュースを耳にしたとき、手に持って「シャカシャカ」と鳴らす楽器をイメージしたのですが、そこで「あれっ?」と思いました。台風の名前はアジアの国の言語(一部のみ英語)からつけられると以前調べたことがあったのですが、「マラカス」という楽器はラテン音楽のイメージがあり、スペイン語かポルトガル語だと思っていたので違和感を覚えたわけです。再度調べてみたらやはり楽器の「マラカス」とは違う意味の言葉でした。フィリピン語で「強い」という意味の形容詞だそうです。
北西太平洋もしくは南シナ海で発生した台風に関しては、周辺の14の国と地域が加盟している「台風委員会」が、それぞれに提案した名前を順番につけていくというスタイルを、2000年からとっているそうです。14の国と地域は、「カンボジア・中国・北朝鮮・香港・日本・ラオス・マカオ・マレーシア・ミクロネシア・フィリピン・韓国・タイ・米国・ベトナム」となっており、この順番にそれぞれの国が提案した名前がひとつずつつけられていく決まりになっているそうです。つまり日本が提案した名前は、必ず香港の名前の次に出てくることになります。ひとつの加盟国で10個の名称を提案しているので、全部で140個の名称が用意されていることになります。一年間の台風の平均的な発生数は25個前後ですので、6年に1回くらいは同じ名前がついた台風がやってくることになります。
実は以前にも「台風の名前」についての記事を書いたことがあります(調べてみたら2014年9月でした)。その記事の中に日本が提案している名前を10個挙げさせていただいておりました。その当時の日本からの提案名は以下の通りです。
「テンビン」「ヤギ」「ウサギ」「カジキ」「カンムリ」「クジラ」「コップ」「コンパス」「トカゲ」「ハト」 これらは日本における星座の呼び方だそうです。個人や法人に影響のない、自然に関する「中立的」な名前として星座名を提案しているという考え方のようです。これは日本からの提案の考え方であって、他の国からは動物名であったり植物名であったり、神様の名前やお菓子の名前などを提案している国もあるようです。気象庁のホームページに詳しく書いてありますので、お子様と一緒にご覧いただくのもよいでしょう。他国文化に興味を持つきっかけの一つになるかもしれません。
2014年に調べた日本から提案した名前のうち、実は現在使われていないものが4つもあります。以下のように「欠番」となり、新しい名前に変わりました。
「テンビン→コイヌ」「カンムリ→コト」「コップ→コグマ」「ハト→ヤマネコ」 被害が大きかった台風につけられていた名前は、前述の「台風委員会」で変更されることになっているらしいのです。変更されたきっかけを調べてみると、やはりフィリピンでの被害が多いようですが、「ハト」は中国や香港・マカオでの被害が大きかったという記事がありました。
今年の台風1号は「マラカス」でフィリピン名でしたが、台風2号は韓国で「なまず」を意味する「メーギー」という名前がつけられていました。北西太平洋域の外で発生した台風がその内側に入ってきた場合は、他領域でつけられた名前がそのまま使われるということがあるようですが、そういったケースは少ないようですので、このままでいくと、今年の台風10号には日本名がつけられることになります。「トカゲ」という名前です。ぜひお子様に教えてあげてください。
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