『夏の準備は今から……』
2022.06.10
先週の記事で、今年の関東地方の「梅雨入り」は6月12日ころという予報を書かせていただいたのですが、今週の月曜日(6月6日)に梅雨入りが発表になりました。ただ、今週の雨は「梅雨前線」によるものではなかったので、梅雨時のジメジメとしたものではなく、肌寒さを感じるお天気でした。「梅雨」の先には、いよいよ「夏」がやってきます。今回は「夏へ向けた準備」について。
この時期の非受験学年の保護者会では、小6受験生の「夏休み」につながる過ごし方を意識することが大切、とお伝えしています。「夏休みは計画的に過ごす」「夏休みでも起床時間・就寝時間をしっかり守る」「休みが長いからといって安心せずに集中して学習に取り組む」……というようなことをお話ししています。その中のひとつに「夏休みの学校の宿題はなるべく早めに取りかかり、早めに終わらせる」というポイントがあります。もちろん、プリント教材やドリルなどは配布されてからでないとできませんが、今から取り組めるものもあるはずです。代表的なものとして「読書感想文」と「自由研究」があります。この二つの課題については、しっかりと取り組むことでお子様の学力向上にも大きく寄与しますので、時間をかけて行ってほしいと思います。
まずは「読書感想文」について。夏休み中に読書の時間をとることも大切ですが、「感想文」を書くための読書をあわててやるよりも、今から読んでおいてもよいはずです。6月からであれば、夏休みまでに何冊かの本を読むことができるはずです。「この本の感想文を書こう」と思って読み始めるのではなく、何冊かの中から、自分が感想文を書きたいと思った本を一冊選ぶ。そして夏休みに入ってからもう一度読み返して感想文を書く。そうすることでより良い感想文になると思います。
さて、その本の選び方ですが、これまで塾のテキストやテストで出題されていて「おもしろい」と感じた作品、「このお話の続きを読んでみたい」と思った作品を選んでみるのはいかがでしょうか。私は半年前くらいからのテキストやテストを読み直してみて、お子様に選ばせるという方法をおすすめしています。最近のテキストやテストには、原則として「作品名・著者名」が載っていますので、探すのは簡単でしょう。そして、10年前と比較をすると、圧倒的に手に入れるのが簡単になっています。
私が子どものころは(保護者の皆様の時代もそうだと思いますが)、読みたい本の作品名がわかっても、なかなか手に取ることはできませんでした。家の近くの本屋さんに行ってもまず見つからず、学校の図書室にあればまだよいのですが、図書館に行って探してみるのが最善の策でした。ただ、図書館だと返さなければならないので、自分の手元に置いておくことはできません。読み返したいと思ったら、大きな本屋さんに行って探して、なければ取り寄せてもらって……。いまは通販サイトで、場合によってはリサイクル通販でも、簡単に手に入れることができます。便利な時代になったものです。
次に「夏の自由研究」ですが、これは「読書感想文」以上に力を入れて取り組んでもらいたいと考えています。中学入試の理科や社会の出題でも、知識を単純に問う問題だけではなく、考えて解く問題(思考系出題)が増えています。「未来のトイレを考えなさい」「新しいおせち料理を提案しなさい」などといった設問に対応するためには、興味関心の幅を広げておくこと、自分の力で考えることが必要です。その力を育てるためには、「自由研究」に真剣に、楽しんで取り組むことはとても効果があると考えています。もちろん小6受験生でなければ、「調べたり、実験したり、まとめたり……」という部分は夏休みに入ってから行っていただいてかまいません。ただ、どのようなテーマで研究するかは、いまのうちから考えておくとよいでしょう。
お子様が興味関心を抱くテーマがあれば「それ、夏の自由研究で調べてみようか」という会話からがスタートになるでしょう。ご家族でのご旅行の予定があれば、その地域について事前に調べてから行くというのも、旅行を楽しくするひとつの方法かもしれません。たとえば沖縄旅行のご予定があるのなら、事前に「琉球」展に行っておく、などはとても楽しそうですね。
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