『2月3日 ~中学受験の意味を考える~』
2023.02.03
今年の中学入試も「終盤戦」にさしかかっています。すでに進学先を決めている受験生も出てきていますし、まだ挑戦し続けている受験生もいます。早稲田アカデミーにお通いいただいた皆様が、進学先を決めて笑顔で次のステージに進まれるように、私も最後まで応援してまいります。
毎年、この時期に早稲田アカデミーを巣立っていく生徒たちを見ていると、これからの彼ら、彼女たちの将来がとても楽しみに思えてきます。大きな「可能性」を抱いて、中学校という次のステージへと向かう子どもたち。その可能性を大きく広げ羽ばたいてもらうことを願ってやみません。
「子どもの可能性を伸ばす」という言葉を耳にすることがあるのですが、「伸ばす」というよりも「子どもの可能性」は無限に広がっていると私は思っています。生まれたばかりの子どもは、将来、医師や法律の専門家や宇宙飛行士、そして、スポーツ選手や芸術家にも、何にだってなれる可能性があるわけです。しかし、成長していくうちに、いくつかの可能性が消えていくか、薄くなってしまうことがあります。
親はなるべく、その可能性の芽を摘んでしまうことがないようにするべきだと思うのです。お子様の適性を見極め、その長所を伸ばし、進むべき道をある程度定めて導いてあげることも、親や周囲の大人の役割として挙げられるでしょう。しかし、まずはすべての可能性を考えて、なるべくその可能性の幅が狭まらないように成長を後押ししてあげることが大切だと、私は考えています。適性だけではなく、お子様自身がやりたいことが見つかったときに、それを目指すことができるようにと考えることが必要だと思っています。さまざまなところで言われていますが、将来の日本や世界の中で求められる力や役割は、ここからの10年20年で大きく変わるはずです。その点を考えても、お子様の可能性を狭めないように育てることが必要だと思います。
これから中学受験へ向けた学習を本格的に始められる皆様に私がよくお話ししているのは、単に知識や解き方を覚えこませるのではなく、しっかりと理解させ、さらにそこから「考えさせる」という視点を持ってお子様に接していただきたいということです。中学受験カリキュラムを進めていくのは、志望校に合格する解き方やテクニックを身に付けることだけが目的ではありません。もちろん、小学校では扱わない知識なども必要ではありますが、それ以上に「考える力」を育てることが大切です。中学受験の出題傾向の変化を考えてもその点は必要であるのですが、さらに「頭の使い方」や「考え方の土台」が出来上がる小学生の間にしっかりとしたトレーニングを(ある程度高いレベルで)行うことが、お子様が将来どんな道に進むにしても、必ず役に立つことであり、それが将来の可能性を狭めないためにも必要なことだと、私は強く考えています。
来週からは、早稲田アカデミーでも新学年がスタートいたします。新しい学年での学習をスタートするにあたり、お子様の可能性を狭めないという視点を、保護者の皆様にもお考えいただければと思っています。さらに、精神的にも肉体的にも一番成長するのは中学校・高校の6年間です。一番成長する時期にお子様にあった環境をしっかりと選び、与えること、が「子どもの可能性を奪わない」ことにつながるのではないでしょうか。それが中学受験を選択する目的の最大のものだと私は思うのです。
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