『連休には感動体験の共有を』
2023.04.28
いよいよ連休がスタートいたしました。早稲田アカデミーの小中集団校舎では、4月28日から5月5日まで、校舎の通常営業はお休みとさせていただいております。連休明けの6日・7日にはテストが実施される学年もありますので、「気を抜いて」とはいかないお子様もいらっしゃるでしょうが、ぜひリフレッシュしていただいて、一学期後半の学習につなげていただきたいと思います。
2月にスタートした新学年も、上期カリキュラムが半分終了したところになります。どの学年も、2月から7月まで20週間のカリキュラムが組まれているのですが、ちょうど10回が終了したところです。講習会内容を除けば、年間カリキュラムの四分の一まで進んできたわけです。いまの時期のお子様の状況はいかがでしょうか?体調や学習状況というよりも、学習に向かう「意識」や「気持ち」という点では、少し物足りなさを感じている保護者の方もいらっしゃることと思います。
新しい学年が始まったときの新鮮な気持ちは薄れ、毎日の生活の中での学習も何となくこなすだけになってしまっており、というのが多くの(進学塾に通っている)小学生の現状ではないでしょうか。保護者の皆様がご覧になるのは「わが子」だけですので、こんな状態で本当に大丈夫なのだろうか、とご不安に思われるのは当然なのですが、このタイミングで「やる気に満ち溢れている」小学生というのはそんなにいるわけではありません。ただ、やはり少しずつでも気持ちを「学習・勉強」に向けていくことは必要になります。
まずは、この連休でお子様の「精神的な疲れ」をリフレッシュしていただければと考えています。そのためには、「感動」を意識していただくのがよいと思います。よくお話しするのですが、「感動」とは大きな心の動きです。日常のなかでも心は常に動いているものです。「このテレビ番組、おもしろい」「宿題、大変だな」……そんな風に少しずつでも心は動いています。しかし、その心の動きが非常に大きいものになったときに、「感動」が生まれます。そう考えると「感動」の根幹には、「楽しい」「おもしろい」「美しい」「すばらしい」など、基本となる心情が存在することになります。さらに、国語的にとらえると、「プラスの心情」だけではなく「マイナスの心情」(ネガティブな心情)でも、大きく心が動いたときは「感動」と表現することもあります。斎藤茂吉の「赤光」の中にある「死にたまふ母」で書かれている短歌は、どれも「母の死」という大きな悲しみが「感動の中心」になっているわけです。
具体的に「おいしい」という心の動きで考えてみます。誰でも「おいしい」と思うことはあるはずです。ただ、「おいしくて感動する」という経験は、なかなか味わえるものではないかもしれません。もちろん、普段口にすることがない三ツ星レストランのお料理を食べたときには、感動レベルの「おいしさ」を感じることができるかもしれません。しかし、単なる「味」だけではなく、それ以外の要素も「感動」につながるものが大きいのではないでしょうか。
夏休みのクラブ活動。校庭を何週も全力で走った後、水飲み場の蛇口から直接飲んだ水のおいしさ。冷たくなるまで、水を出し続けている間に見上げた、真っ青な空と真っ白な入道雲。「味」だけではない「感動」につながるものだと思います。
さて、「いつも」という日常的な体験ではなく、非日常の中での体験は「感動」につながりやすいものです。そのためにも連休中などは、非日常につながる体験がしやすいのではないでしょうか。いままで行ったことがない場所への旅行などももちろんですが、わざわざ遠くに出かけなくても、お子様の記憶に残る「感動」を味わうことができると思います。普段はお仕事で忙しいお父様が一緒に遊んでくれたこと、家族で野外バーベキューを楽しんだこと、などなど。
そして、親子でその「感動」を共有していただければと思っています。「感動」を共有することは、親子の関係性の構築につながります。この点については、次回以降の記事で触れさせていただく予定です。
早稲田アカデミーも連休に入りますので、このブログも一週間お休みとさせていただきます。次回の更新は5月10日(水)を予定しております。連休明けから、早稲田アカデミーでは「クールビズ」が始まり、男性職員がネクタイをせずに勤務することになります。私も連休中に「衣替え」を予定しております。まだ「夏」という気候ではありませんが、年間で一番学習効果が高まる「夏」に向けて少しずつ準備も始まっているところです。
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