四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『心の中に種を植える』

2023.07.14

夏期集中特訓、去年の先生がきてくれないかな」
昨年も夏期集中特訓に参加した生徒が、先日の授業の休憩時間にそんなことを言っていました。「厳しかったし、授業のスピードも速かったけれど、面白かった」と続けていました。隣に座っていた生徒が「どんなことやったの」と聞いていたのですが、かなり詳しく話をしていました。やはり記憶に残っているのだなと思った次第です。


夏期集中特訓も、今年から小4で再開する夏期合宿も、4日間(非受験学年)・5日間(受験学年)と短期間の実施です。一日の学習時間は長いですから、それなりに学習量は確保できますが、もちろんその短期間だけで成績が大きく向上するわけではありません。しかし、そこから先の学習における大きな力を得ることができると私は思っています。


以前、小学校6年生の夏期合宿のキャンプファイアーで、ある先生が話していた言葉を鮮明に覚えています。「先生たちは、この夏期合宿で君たちの心の中に種を植えた。夏期講習会後半の授業で、さらには二学期以降の毎日の学習の中で、その種は芽吹き、成長し、来年の2月には大きな『合格』という花を咲かせるはずだ」そんな言葉でした。一年間の学習を考えたときの折り返し地点である夏休み、そのちょうど真ん中というタイミング、同じ目標を持った生徒たちと切磋琢磨する環境、そして先生たちからの授業や熱い言葉……。今までにないほど集中して授業を受けた経験は、「自分はもっとできる」という気持ちをつくることにつながります。そして、そこからの授業や家庭学習での集中力も変わっていくのです。


夏期集中特訓や夏期合宿で、大きなものをつかんでくるためには、単に参加するだけではなく、その前段階でお子様の中に「参加する気持ち」をつくることが必要です。小4の夏期合宿であれば、単に「合宿は楽しみ」という気持ちだけでかまいません。サファリパークや空中散歩というイベントを楽しみに参加してくれていても、授業でさらに楽しめるように、講師たちが準備をしています。小5の夏期集中特訓は、「小6受験学年の予行演習」として、しっかり学習に取り組む気持ちで参加するように、ご家庭でも促してあげてください。小6はもちろん、この夏期集中特訓の期間で、「受験生意識」を強く持たせることになります。一言でいえば「志望校にぐっと近づく5日間」というイメージです。そんなお話をご家庭でもしてあげてください。


一方で、我々もそれぞれの学年の、一人ひとりの生徒の心に「種」を植えられるように準備を進めています。参加した生徒の心に残るような授業ができるように、徹底的に準備をしているところです。私自身はここ数年間、夏期合宿も夏期集中特訓も、会場を管理するような立場で参加しており、直接授業をする機会はないのですが、開校式などでは生徒に話をする場面があります。そのときの話の内容は、文字通り「練りに練った」準備をするようにしています。一つひとつの言葉が、目の前にいる生徒全員の心に届くようにと。


以前の記事で、大学入試センター試験の前日に電話をかけてきた卒塾生の話を書かせていただきました。「小6の夏がいまの自分につながっている気がして、大学入試本番前に先生の声を聴きたくなって……」、そんな電話でした。この記事の初めに紹介させていただいた生徒も、昨年の夏に一つの「種」を植えてもらったのだと思います。そう考えると、我々の仕事の「責任の重さ」を感じるとともに、大きな「やりがい」にもつながっていると思うのです。受験という大きな目標に向けてがんばり続ける生徒たち、それを応援する私たちの授業や指導、その時々の言葉、それらはきっと一人ひとりの心の中に残っていくものなのだと思います。そして、その一つひとつが彼らの輝かしい未来につながるように、心がけていくことが大切だと、「子どもたちが一番成長する夏」を前に改めて考えています。


夏期合宿や夏期集中特訓だけではなく、夏期講習会も夏期の家庭学習においても、この夏にお子様の心の中に「種」を植え、その種が成長して花開く日まで、早稲アカデミーは応援させていただきます。

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