『18歳の未来を考える』
2023.07.12
先日(7月5日)、神奈川県立平塚中等教育学校で、中学3年生へ向けた講演会を実施させていただきました。神奈川県内には公立中高一貫校は全部で5校あります。横浜市立が2校、川崎市立が1校で、神奈川県立は、今回うかがった平塚中等教育学校と、相模原中等教育学校の2校です。
「中学3年生」と書かせていただきましたが、中高一貫校ですから、単に「3年生」と呼ばれていて、一般的には「高校1年生」となる学年は「4年生」、卒業するときには「6年生」として卒業することになるわけです。
今回は、平塚中等教育学校からお話をいただき、「3年生」の7時間目の授業の時間で、「進路講演会」と題してお話をさせていただきました。6時間目には「後期課程履修説明会」という内容で校長先生や学校の先生がお話しされており、私はそこから聞かせていただいていたのですが、とても勉強になりました。学校の講堂で、前方には生徒が座布団を敷いて座っていて、後方には保護者の皆様が椅子に座っていらっしゃいました。授業の時間枠の中ですので、もちろん「3年生」は学年の全員が参加していましたし、保護者の皆様も9割程度の方が参加していらっしゃいました。
講演会は全体を3部構成で用意させていただきました。まず初めに「18歳の未来を考える」というテーマで、現在の大学入試のポイントについて話をしました。「大学全入時代」「総合型選抜」「大学入学共通テスト」「東京科学大学」といったキーワードについて触れています。第二部では「15歳のいまを考える」と題して、高校受験を目指す中学3年生が、いまどのような毎日を過ごしているのか、塾ではどんな学習をしているのかを紹介させていただき、第三部では「中高一貫校の折り返し地点」について、意識の持ち方についての話をさせていただきました。
生徒の皆さんは、非常に真剣に話を聞いていました。スライドを作成し、その画面を印刷した紙の資料もご用意いただいていたのですが、「しっかり前を向いて聞いてください」と初めに話をしたところ、ほぼ全員の生徒が前の画面と私の顔を見ながら一生懸命に聞いていました。
「いまの自分に満足していて、充実した毎日を過ごせていると思っている人は手を挙げてみてください!」という問いかけをしたところ、何名かの手がパッと挙がりました。指名をして、どこからそんな風に感じるのかを聞いたところ、「学校生活全般が楽しくて、充実しています」という答えがすぐに返ってきました。やはり充実した素晴らしい学校生活を送っているのがわかる瞬間でした。神奈川県立中高一貫の「適性検査」を受検して、その選考に合格した生徒の皆さんですから、ある意味当然なのですが、友人関係も含めて充実した毎日のなか、授業や学習にも主体的に取り組んでいるのだと思います。
今回、私が一番お話ししようと思ったのは、次のようなポイントです。 「中学3年生=15歳」という時期は、ちょうど「自分」に目が向き始める頃なので、将来の自分に向けて一歩を踏み出すきっかけとなるような話です。高校受験を目指している中学3年生は、「高校を選ぶ」「受験校を考える」という現実の中で、否が応でも、「将来の自分」「進学したい大学」「やりたい学習・やりたい仕事」などについて考えることが必要になります。ただ、中高一貫校に在籍をしている「中学3年生」は、まだそこまでは考えが届いていない生徒も多いでしょう。毎日の学校生活が充実していれば、その日々を楽しむことに懸命で、将来のことは気になりながらも、まだ一歩を踏み出しかねている生徒もいると思います。具体的な大学入試の現状を伝える中で、また高校受験を考えている同学年の生徒がどんな日々を過ごしているかを話す中で、自分の未来に対しても考えるきっかけをつかんでいただければという想いで話させていただきました。保護者の皆様も多くご参加いただいておりましたので、「今日をきっかけに、ぜひお子様とお話しください」とお伝えいたしました。
このブログをお読みいただいている皆様は、これから中学受験・受検を迎えられる皆様だと思います。いまは憧れの学校に合格することだけを考えて、毎日の学習に取り組んでいらっしゃることと思います。もちろん、いまの時点ではそれでかまいません。ただ、中学受験がお子様のゴールではなく、中学校に進学した後には「次のステージ」である中学校生活が待っていて、さらにその先の未来を考えていくことが必要なのだと思います。今回、中高一貫校の生徒、そして保護者の皆様の前でお話しさせていただく機会をいただき、改めてそんなことを考えました。
最後に、お招きいただいた平塚中等教育学校の校長先生、さまざまご協力をいただいた教員の皆様、本当にありがとうございました。ご参加いただいた保護者の皆様もありがとうございました。そして、何よりも真剣に聞き、積極的に参加した生徒の皆さん、ありがとうございました。皆さんの「15歳の夏」が、さらに「平塚中等教育学校での後半戦」が充実したものとなるように、祈っております。
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