四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏の読書』

2017.07.14

いよいよ「夏休み・夏期講習会」が近づいてきました。いま校舎で実施させていただいている「個別面談」では、一人ひとりの「夏の学習課題」についてお話しさせていただいているところです。受験学年であれば、この夏でどれだけ第一志望校合格に近づけるかが、来春の入試結果を大きく左右します。また非受験学年であれば、9月以降の飛躍のために、既習単元の基礎固めと重要単元の先取り学習をバランスよく行っていくことが必要です。加えて、勉強以外の面でも、充実した夏、成長できた夏となってくれればと考えているところです。


さて、今回はそんな夏休みの「読書」について書かせていただきます。


保護者の皆様の中にも、夏休みにたくさんの本を読んだ経験をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。私も小学校から大学まで、夏にはかなり読書をしました。中学生の頃は、近所の図書館にも通っていました。エアコンが効いていて涼しかったせいもあると思いますが...。ぜひ、お子様にも夏の読書を勧めていただければと思います。「この夏の一冊」のような本に出会えれば、それはとても幸せなことだと思うのです。


一方で、読書があまり得意でないお子様に対しては、「夏になったから本を読みなさい」と言ってもなかなかうまくはいかないものです。「読書感想文」の宿題をやるために、図書館で本を借りてきたものの、表紙も開かないまま返却してしまう、というケースもあるでしょう。そういったお子様に向けて、私は「一学期中に学習したテキストやテスト(予習シリーズや土曜YT講座など)の文章を読む」という課題を出すことがあります。国語力を高めるためには、文章を読んで内容を理解することがスタートとなります。読書があまり得意(好き)ではないお子様の場合、もしくは国語に対して苦手意識を持っているお子様の場合、文章を読んでもその内容がしっかりと頭の中に入っていない場合があると思います。問題を解くためにただ文章に目を通しただけで、本当の意味での「読む」という状態にはなっていないことが多いでしょう。


各学年のテキストに載っている文章は、その学年よりも上の年代を対象としたものが多くあります。たとえば小3のテキストであれば、普通であれば小4~小6生が読む(場合によっては中学生)レベルの文章が出題されているわけです。お子様が、まだそのレベルの文章に慣れていない状態で読んだとしても、なかなか1回で理解はできないものです。ただ、ある程度そのレベルの文章に慣れてくれば、そして最初読んだときよりも精神的に成長してくれば、次に読んだときには理解できる部分が多くなっているはずです。「一学期中のテキストを読み直す」という課題指示は、上記のような効果を狙ってのことです。初めて読んだときには気がつかなかった内容を、あらためて読み直し理解することで、読解力を高める効果が期待できるはずです。


このときに注意をしていただきたいのは、「読む」ことが目的なので、「解く」ことは必要ないという点です。「せっかく読むんだから、問題も解きなさい」とおっしゃりたいお気持ちもわかります。ただそうすると「解くために読む(目を通す)」という作業になってしまい、お子様の中で「読んで理解する」という気持ちが薄れてしまいます。


お子様が、上記の課題を通して内容に興味を持ち、続きが読みたくなったら、図書館や書店で探してみるのも、読書を楽しむ一歩になると思います。

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