『どれくらいの時間がかかるのか ~二学期の学習計画を立てるにあたって~』
2017.09.13
新学期がスタートして一週間が経過しました。お子様のご様子はいかがでしょうか。「さぁ、秋からの勉強もがんばるぞ」という前向きな気持ちになっているお子様もいれば、「夏の疲れ」が肉体的にも精神的にも出てしまっているお子様もいるのではないでしょうか。ご家族全員がそんな雰囲気になってしまっている場合もあるかもしれません。まずはお父様、お母様が元気になっていただいてお子様方を引っ張っていただく……そんなイメージをお持ちいただければと思います。
新学期スタートのこの時期は、一週間の学習スケジュールを見直す時期でもあります。一学期(4月~7月)のテキストと比べると、二学期のテキスト(コンパス下巻・予習シリーズ各学年下巻)は学習レベルが一段階上がります。一方で、「夏の学習(夏期講習会・夏期合宿)」を経験した生徒たちは、しっかりとした学習姿勢が身につき、集中力や学習スピードも高まっているはずです。宿題にかかる時間も、夏前とくらべると短くなっているはずです(同じ難度であれば……ですが)。さらに、学年やクラスによっては二学期に学習する単元の一部を先取りしている科目もあります。当然、家庭学習で行う学習内容(宿題・課題)も変わってきているはずです。そういった点を考慮に入れながら、学習計画を立ててください。
一週間の学習計画の立て方に関しては、このブログの過去記事でも何度か触れていますので、今回は「復習」として重要なポイントを挙げておきます。
①単に「勉強」「宿題」という時間を設けるのではなく、「算数・演習問題集・応用問題」というように具体的に決める。
②「暗記」「処理系」など比較的難度の低い学習と、「思考」が必要な応用的な学習の時間を分ける。応用的な学習をするのは、お子様が集中できる時間に行うようにする。
③家庭学習をスタートするタイミングで毎回行う「習慣的な」な課題を取り入れる。
さて、今回は「学習計画」を立てる上で、もう一歩進んだ内容について書かせていただきます。まずは、「どれくらいの時間がかかるのか」を担当講師に確認していただくとよいでしょう。想定時間が「20分程度」の宿題に、「60分」という制限時間を設けても学習効果はあまり期待できません。そればかりかダラダラとした学習が身についてしまう危険性もあります。
「一歩進む」というのは、その「どれくらいの時間がかかるのか」を自分で判断できるようになるレベルだとご理解ください。たとえば「一週間分の漢字を暗記するのにかかる時間」「予習シリーズの練習問題を2ページ解くのにかかる時間」などを、お子様自身がある程度イメージできているという状態です。もちろん、この段階までくるのにはある程度の経験が必要です。小3から通塾している生徒であれば、小4の二学期くらいにその感覚がつかめるようになるイメージでしょうか。小5になれば多くの生徒がある程度イメージできるようになってくるはずです。ただ、普段から時間感覚を意識して学習を進めていないと、なかなかこの感覚がつかめるようにはなりません。まずは家庭学習をしていく中で、時間をしっかりと意識するようにご家庭でもお話しいただければと思います。ひとつの方法としては、机の上に時計を置き、課題を始めた時間と終わった時間を記録するクセをつけるとよいでしょう。小3の「ホームワーク」、小4の「日々の〇〇」といった毎日の学習からその練習をしてみることをお勧めします。
この「どれくらいの時間がかかるのか」という感覚を持つのは、非常に大切なことです。中学入試においては、問題を見てすぐに解き始めるのではなく、「どのように考え、どういう作業手順で解くか」を考えて、「そこまでに(自分の場合は)どれくらいの時間がかかるか」を一瞬で判断しなければなりません。
中学受験の先を考えても、この感覚が大切なのはお分かりいただけるでしょう。中学校や高校での学習を進める上で、大学でのレポートを作成する上で、そして社会人になって仕事をしていく上で、目の前にある課題をどれくらいで終えられるかがわかるということは、とても重要な「力」のひとつだと、私は考えています。そのきっかけとなるトレーニングを中学受験の学習を通じて行っている、そんな風にお考えいただければと思います。
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