四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『国語はどうやって勉強すればよいですか?』

2017.09.29

国語の家庭学習についてよくご質問をいただきます。そのなかでも多いのが、保護者の方からは「家でどんな風に教えればよいのでしょうか?」、生徒からは「国語はどうやって勉強すれば成績が上がるの?」という内容です。


国語と他の科目では、学習方法に大きな「違い」があります。「算数は正解がひとつしかないけれど、国語は正解がいくつもあるように思える」、というような話を生徒から聞くことがあります。それは半分正しいのですが、言葉が足りないともいえます。もちろん国語の記述問題などでは「部分点」がつきますし、自分の意見を書かせる問題などでは、答えが複数あるように感じることもあるでしょう。しかし、そこにはある程度はっきりとした採点基準があり、算数の採点と同じように厳密に「○」「×」がつくのです。


では、どのような点が違うかというと、それは「考える」過程がはっきりとわかるかどうかです。算数では問題文を読んだところから、答えを出すまでの「考える」過程がはっきりとわかります。それは図や式という形でノートに残るからです。一方、国語の問題はその過程がノートに残ることはほとんどありません。選択肢の問題を解くときに、どのように考えて、どのように解答に至ったかはきちんとした形で残ることはほとんどないと思います。その点において、国語の勉強の仕方がよくわからないという生徒の気持ちはよくわかります。


選択肢の問題で「どうしてそれを選んだの?」という問いかけに対して、はっきりと思考過程を含めて説明できる生徒はまずいません。頭の中では考えていたのに、その思考過程を追いかけて説明できるほどには整理ができていないからでしょう。結果として「なんとなく」というような答え方になってしまい、それを聞いた保護者の方は「ちゃんと考えていないのね」と感じてしまい、より不安を募らせるということもあるはずです。


文章を読む際に、考えた(読んだ)過程を残しておきたいと思う生徒は、読みながら文章に線を引いたり、印をつけたりするようですが、なかなか効果的な形で実行できていないケースが多いようです。むやみに文章に線を引いている生徒に対しては、まずは線を引いたり印をつけたりしなくていいから、じっくりと読んで、文章全体を頭の中に入れる学習をするように話をします。よく勧めするのは、塾で扱った過去のテキストの文章を「解く」ためではなく、単純に文章として「読む」学習です。一度扱った文章ですが、多くの場合、書かれていた内容は頭に入っていないはずです。


その次の段階では、問題を解くときには本文中のどこを根拠にして、その答えを選んだのか(考えたのか)をはっきりさせるようなトレーニングが効果的です。選択肢の問題の場合、それで間違えたとしてもかまわないのです。自分はこう考えたけれどここのところで間違えた、という見直しができるようになってくれば、次に同じような問題が出題されたときに生きてくるはずです。記述の問題であれば、いきなり文章としてマス目を埋め始めるのではなく、書き込むべき要素をまとめてから書くようにするのもひとつの方法でしょう。


いずれにせよ、国語の問題を解くときの自分なりの「解答フォーム」を形づくるようにすれば、国語の学習そのものが嫌いではなくなり、それに伴って成績も向上してくると考えています。

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