四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学受験へ向けた「親の役割」と「サポート」③』

2018.10.10

前回、前々回に引き続き、先週実施させていただいた「クローバーセミナー」の内容をご紹介させていただきます。前回はセミナー後半でお話しした「日常生活における親のサポート」について簡単に触れさせていただくとともに、「低学年・中学年から最難関中を目指す」ために求められるものとして、「自己肯定感」「意志力」「精神的成長」という3つのキーワードについてご紹介させていただきました。前回は「自己肯定感」について詳しく書かせていただきましたので、今回は「意志力」と「精神的成長」の2つについてとなります。


困難な物事に挑戦し、失敗してもあきらめずに継続していくためには、強い「意志力」が必要です。小学生のお子様にとって、中学受験に向けた学習は「その学齢の生徒にとっては高いハードル」に挑戦することになりますので、学校での授業や宿題に取り組むよりも、強い意志力が必要になることはおわかりいただけるでしょう。


この「意志力」は個人ごとに総量が決まっていて、どの行動に対する意志力も同じところから出てくるものだ、という考え方があります。「学習に向かう意志力」も「習い事で使う意志力」も「友人関係で使う意志力」も、それぞれ別のものがあるのではなく、個人が持っている「総量としての意志力」から費やされる、ということのようです。これは、「学校の友人関係で悩んでいると、学習に身が入らない」というような状態を考えてみると、納得がいくのではないでしょうか。ダイエットや禁煙などの事例を考えていただいても、おわかりいただけるかもしれません。


この「意志力」は、鍛えることができるものだ、ともいわれています。実は今回のセミナーで一番お話ししたかったのはこの点です。保護者の方には、お子様が「意志力を鍛える」ことができるように接していただきたいのです。さまざまな書籍などに「意志力を鍛えるための方法」や「費やした意志力を回復させる方法」などが紹介されていますので、ご興味のある方は調べていただくのもよいと思います。ただ、「中学受験へ向けて」という点だけで考えれば、それほど難しいことが必要なわけではありません。「なかなか成績が上がらない時期でも学習を継続する」、「つらいと思う苦手科目の学習から逃げない」、「確固たる目標を持ち、ぶれないように努力を続ける」……お子様がそんな姿勢で学習に臨めるように、保護者の皆様が応援していただく、というところがポイントになると思います。


さて、前回書かせていただいた「自己肯定感」、そして今回の「意志力」は、最難関中学受験のみで求められるものではありません。よく考えてみると、お子様が将来社会に出て活躍するために、より必要になるものだということに気づかれることと思います。実際に「自己肯定感を高める」「意志力を強化する」といったジャンルの本は、そのほとんどが社会人向けに書かれています。よく「中学受験で得られるものは『合格』だけではない」といわれますが、私も、受験は将来社会で活躍するための「人間としての基礎力」という土台づくりにつながるのかもしれない、と考えています。


一方で、3つ目のキーワードである「精神的成長」については中学受験特有のもの、といえると思います。中学受験に挑む12歳の時点では、お子様一人ひとりの精神的な「成長度合い」「発達段階」には差があるのが普通です。いつ大きく成長するかは、お子様によって差があるのです。「最難関中学への合格」という点だけを考えれば、12歳の2月時点でなるべく「成長していた」方がよいわけです。といっても「精神的な成長」を意図的に促していくのはなかなか難しいことなのですが、その意識を持ってお子様に接するようにしていただく、というアドバイスをセミナーでお話しさせていただきました。


今回の「クローバーセミナー」はお申し込み開始後、比較的早い段階で定員締切となってしまいました。ご参加いただけなかった皆様、申し訳ありません。次回「クローバーセミナー」は今年度最終回として、11月12日(月)に「杉並公会堂」(JR中央線もしくは東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」より徒歩7分)で実施いたします。まだ定員には余裕がありますが、ぜひお早めにお申し込みいただければと思います。

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