四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『小学生の視野・視点②』

2018.09.19

前回の記事の続きとなります。小学生に対しては、「小学生の視野・視点」を意識することでより効果的な「接し方」ができる、という内容です。よろしければ、前回の記事もあわせてご覧になってください。今回は「ご家庭でどのように接するか」という点について。


前回の記事では、「小学生の視野は広くないので、広がるようにしていくのがポイントの1つです」と説明させていただきました。ご家庭でお子様の学習をご覧になるときにも、「全体を見る、広く把握する」というポイントを意識していただくとよいでしょう。お子様が問題を間違えたり解き切れなかったりする原因は、1つではありません。「問題の全体を把握する」という点でつまずいているかもしれませんし、単なるミスで間違えてしまっているかもしれません。


計算などの単純なミスで失点してしまうのは、非常にもったいないことです。しかし、その点にばかり気がいってしまうと、お子様自身の視野が狭くなってしまう可能性も出てきます。「計算ミスをしないように」と気にすることで、そこにばかり注意がいってしまい、全体を大きな視野で見ることができなくなってしまうわけです。お子様のタイプにもよるのですが、私は小学4年生くらいまでは、細かいミスはそれほど気にしないでください、と申し上げるようにしています。


成長とともに視野を広く持てるようになると、視点を切り替えることができるようになってきます。難関中学で出題される入試問題では、解答に結びつく「切り口」をしっかりと考える必要があります。どの方向で考えていけばよいのか、どのような図を書けばよいのか、をまず考えてから解き始めるわけです。しかし、合否を決めるような問題(その問題を解けた生徒が合格に近づくような問題)の場合、その「切り口」をすぐに思いつくことは難しいでしょう。ひとつの方法を試してみて、それではうまくいきそうにない場合、新たな方向で考えることができるか……という点が、とても重要なポイントになってきます。小学生にとって、この「考え直す」というのは、実は難しいことなのです。自分で一度考えついたことを捨てて、もう一度新しい視点で考え直すというのは、ある程度の訓練も必要ですし、精神的な成長も必要です。そしてその根底には、やはり「広く問題を見る」という視点が重要なのです。視野が広くなってくれば、自分が一度持った視点を切り替えて、「考え直す」ことができるようになってきます。


余談ですが、私は小学生(特に小学4年生まで)に対して、テストの解き直しはあまり勧めていません。単純なミスが原因で間違えたものであれば解き直すことで正解することができますが、そもそも考え方が間違っていた場合、自分で解き直してもなかなか正解にたどり着けないからです。一度考えた自分の解き方にこだわってしまい、なかなか新しい考え方に切り替えられない……、それが普通の小学生なのですから。ですから、テストに関しては解き直しをするよりも、解説授業を受けて「そうか、なるほど! わかった!」という気持ちになった方が次につながるはずです。


10月に実施予定の「第3回クローバーセミナー」では、「中学受験に向けて知っておくべき親の役割とサポート」と題して、上記のような「ご家庭での接し方」などもお伝えしたいと考えております。すでに定員に達してしまっており、お申し込みは締め切らせていただいておりますが、セミナーでお話ししたポイントに関しては、またこのブログで紹介させていただく予定です。

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