四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学入試で求められる力 ~「基礎から学べる中学入試報告会」より~』

2019.03.15

今週の水曜日(3月13日)に銀座ブロッサムホールにて、「基礎から学べる中学入試報告会」を実施させていただきました。お天気に恵まれたこともあって、多くの皆様にお越しいただき、大盛況と言ってよい会となりました。小1から小4の保護者の皆様を対象とさせていただいた会でしたので、来年・再来年の入試ではなく、もう少し長い視点での「中学入試の展望」や「中学入試へ向けた準備の仕方」についてお話ししました。


今回の講演会は3部構成で行いました。第1部は「今年の入試を振り返って」というテーマで、受験者数や受験率から始めて、午後受験や今後の小学生児童数の推移などについて、さまざまな数字を用いて説明をさせていただきました。


第2部では今年の入試問題を使って、「いま中学入試で求められる力とはどのようなものか」というテーマでお話ししました。最終的なゴールとなる入試問題を実際にご覧いただくことで、これからお子様をどう伸ばしていけばよいのかをお考えいただくきっかけになったのではないでしょうか。「基礎力の定着」というテーマでは、難関校の漢字の出題をご紹介しました。今年の漢字問題のトピックスのひとつとしては、「宣伝」という漢字の書き取りが、開成中・渋谷幕張中の2校で出題されていたことがあります。両校を併願していた生徒にとっては、「ラッキー」だったかもしれませんが、そもそもこの2校を受験する生徒にとっては、書けない方がおかしい漢字のはずです。その他の漢字の出題も決して難しいものではありません。「難関校で出題される漢字の問題はきっと難しい」……保護者の皆様の中には漠然とそう思われていた方もいらっしゃったようですが、まずはそのイメージを払拭していただくとともに、「漢字という出題は、難しい字を書くことが求められているのではなく、語彙力を試されているのです」という話をさせていただきました。


入試問題をご紹介する中で、少し長くお話ししたのが渋谷教育学園渋谷中の算数の問題です。今までのセミナーや講演会ではあまり行ったことはないのですが、「問題の解説」をさせていただきました。設問中のルールをしっかりと読んで理解し、問われていることに対して複数の段階の思考を経て、正解にたどり着くという解き方が必要な問題です。実際に使う算数的知識は、小4で学習する「倍数」の考え方だけなのですが、そこに至る過程において「深く広く考える」ことが必要だという点について、詳しくお話しさせていただきました。第2部のまとめとしてお伝えしたのは、「『解き方』や『やり方』を求めるのではなく、『考え方』を自分で見つけていくことの大切さ」という点です。入試問題では、それ以外にも「人と環境」という理科的な視点に立った問題、時事的な問題、身近なところに題材を求めた問題などをご紹介しています。


第3部では、小1から小4の保護者の皆様が、中学受験に向かうお子様をサポートするにあたってのアドバイスやヒントをお話しいたしました。私が年に4回行っている「クローバーセミナー」で過去に触れたポイントのダイジェストのような内容です。「中学受験へ向けた学習は精神的な成長と同時進行」であり、そのために「中学受験用の特殊なカリキュラム」が組まれている。したがって「保護者の皆様は小学生の(中学受験という高いハードルへ向けた)勉強の仕方を理解することが必要」であり、特に「どんなときに小学生が真剣に学習に向かうのか」という点を考えてほしい。そんな内容で進めさせていただきました。


ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。特に第3部のテーマではまだまだお話ししきれていない点もありますので、次回以降の「クローバーセミナー」に譲りたいと考えております。よろしければ、そちらにもぜひご参加ください。

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