四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学受験を目指す中で……』

2021.01.20

先週の土曜日・日曜日に「大学入学共通テスト」が実施されました。「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」に変わって、初のテストだったので大きな話題となりました。「大学入学共通テスト」の導入にあたっては、当初、英語の民間テスト導入や、数学・国語での記述問題出題など、いくつかの変更点が決められていました。しかし、結果としてそれらは見直され、英語のテストも実施されましたし、数学・国語では記述は出題されませんでした。


私も国語の問題を解いてみました。「新傾向」と言われる「センター試験」では見られなかったタイプの問題がいくつか出題されていました。面白かったのは「第1問」の問5で出題されていた、「本文を理解するためのノート」に関する問題です。中学受験で学習する「説明的文章の段落読み」に近い「学習の過程」を考えさせる問題になっていて、小学生から高校生までの「読解学習の一貫性」を改めて感じました。


また、「第2問」の小説文の問題でも、出典となっている文章に対する「当時、新聞紙上に掲載された批評文」を読ませて、その評者の見解に関する問題を考えさせるものとなっており、やはり今までの「センター試験」よりも一段階高いレベルでの「思考力」を試す内容になっていました。


とはいっても、最近は大学入試の指導(高校生授業)からは離れているので、ご興味のある方は、より詳しく解説しているWebサイトなどもあるようですので、ご覧になってください。


首都圏の中学校・高校でも入試が始まっています。すでに志望校に合格をして進学先を決めた方もいらっしゃるでしょう。関西の中学入試も行われており、男子私立最難関の灘中学の結果も発表になりました。早稲田アカデミーからの合格者も出ておりますので、よろしければ合格実績ページもご覧ください。


毎日、校舎で受験生に接している中で、「入試・受験」ということについて、考えることがあります。
「合格」という結果だけではなく、入試・受験へ向けて取り組む中で、「得られるもの」はあるのではないかということを、毎年考えています。よく言われることではありますが、受験という大きな目標に向かって真剣に努力する経験は、そこから先の人生に必ずや活きるものなのだと思います。


目標が大きなものであればあるほど、そこに向かう過程には厳しさや苦しさもあるはずです。ときには、涙を流したり、逃げてしまいたくなったりするときもあるでしょう。その「涙」や「弱気になった自分」を振り払って、もう一度前を向き、最後まであきらめずに目標を追い続けた日々は、志望校への「合格」を目指すという過程において、「成長」につながる大きなものだと思っています。


ある中学校の先生からうかがった話です。「中学校で実施している入試は、学力試験です。試されているのは『学力』です。この『学力』は『得点』という形で出てくるものですが、それは『偏差値』や『成績』という数値とは少し異なると考えてください。試したいのは『どれだけの数字を出せるか』ではなくて、これからこの学校で『学ぶための力』があるかどうかなのです」


私立中学校の入試問題は学校によってそれぞれ特色があります。「この学校で学ぶためにはこういう力が必要ですよ」という中学校からのメッセージだと、私は考えています。そう考えると受験に向けた学習の取り組み方や学習姿勢・意識にも変化が生まれてくるはずです。「入学試験で合格点をとる」という学習から、「中学校で学ぶ力を付けるため」の学習を進めるという変化です。「合格点をとるための『解き方』を覚える」という意識から、「より本質的な『考え方』を身に付ける」という意識に変えるようなイメージです。そして、この「次のステージで学ぶ力」こそ、中学受験において得られる「もうひとつの大きなもの」だと考えています。


「中学受験で得られるもの」というと、「志望校への合格」そして「憧れの学校での6年間」という答えもあるでしょう。ただ、それはあくまでも「入試」という選抜試験の結果でしかないと思うのです。志望校へ向かう学習の中で身に付けた「中学校で活きる学力」「次のステージで学ぶ力」は、入試の結果がどうであれ、なくなってしまうのものではないはずです。


中学受験というものは、「身に付けた学力」をどの学校で活かすか、その「次のステージ」を決めるという大きな意味を持っているのは確かです。ただ、そこで決まった学校がどこであったとしても、その学校で自分が身に付けた力を活かしていくことさえできれば、中学受験に向けた努力は、決して無駄にはならないはずです。そういった意味で、「入試に失敗はない」と言われることもあるのだと思っています。


新型コロナウイルスの影響がとても大きかった今年度ではありますが、その中でも自分の目標に向けて努力してきた受験生たちを、心から応援したいと思います。何よりも自分の実力をすべて発揮して、「悔いのない入試」を……そんな風に願っています。

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