『一番大切な存在』
2020.12.18
早稲田アカデミー各校舎では、二学期末の個別面談が実施されています。新型コロナウイルスの影響を考慮して、Zoomでも実施しておりますので、皆様のご都合に合わせてご活用ください。
校舎の保護者会や個別面談で、保護者の皆様とお話しさせていただくときには、いまでも緊張してしまいます。特に初めて個別にお話しさせていただく場合などには……。お話しさせていただく内容に関しては、早稲田アカデミーの講師としての経験や、それなりの知識もあると思っておりますので、それほどの不安を感じることはないのですが、そのもっと手前のところで、漠然とした「不安」を感じているというのが本音です。その不安は何かというと「保護者の皆様の想い」にお応えできる話ができるのだろうかというものだと思っています。
保護者の皆様が進学塾に期待されることは、もちろん志望校への合格でしょう。そして、そこにつながる成績の向上であることは間違いありません。しかし、単に合格するためのテクニックを教えてくれればよいとお考えの方は多くないと考えています。「勉強に対する前向きな気持ち」「壁を自分の力で乗り越えていく強さ」「自ら能動的に学習する姿勢」……そんな力や気持ちも養うことで、結果として志望校合格に導いてほしいとお考えの方が多いのではないでしょうか。
そして、その先に見ていらっしゃるのは、お子様の輝かしい未来。
親にとって一番大切な存在は「子ども」でしょう。その一番大切なお子様をお預かりしている、保護者の皆様は我々にお子様の未来を託してくださっている、と私は考えています。その信頼や期待にお応えできているのだろうかと、私は「不安」を感じているのです。単に講演会や保護者会の内容だけではなく、早稲田アカデミーや校舎として、また一講師としても、「保護者の皆様の想い」にお応えできているのだろうかと。その想いの強さや重さに見合った授業や保護者会をできているのだろうかと。
いままでの経験からも、さらには早稲田アカデミーの指導スタイルやカリキュラムからも、自信はあります。多くの進学塾の中で、合格にもっとも近い塾のひとつだと自負もしています。ただ、それだけでは保護者の皆様のお子様に対する想いには、まだまだ不十分なのだろうとも思っているわけです。この点において、妥協は絶対にしたくはないし、するべきではないとも考えています。
校舎での入塾説明会では、「単に合格させるだけではなく、早稲田アカデミーで入試に取り組めてよかったと言っていただける塾」であることをお約束しています。ある年の1月31日に受験生のお母様からお手紙をいただきました。そのお手紙は、いまでも私の宝物になっています。
「いよいよ明日、入試をむかえることになりました。ここまでの3年間、親子ともども本当にお世話になりました。(中略)入試が終わって、万が一合格できていなかったら、素直な気持ちでお礼を申し上げることはできないような気がします。合格していたら『受かった』ことのお礼のように聞こえてしまうかもしれません。ですから、入試の前に感謝の気持ちをお伝えしたくてお手紙を書かせていただきました。いままで本当にありがとうございました。入試までの日々を早稲田アカデミーで過ごせたことに、先生方に本当に感謝しています」
そんなお手紙でした。保護者の皆様の「お子様に対する想い」を正面から受け止めること、大切なお子様の未来を託していただいているという想いを胸に抱き続けることが、進学塾で働く者として忘れてはならない使命だと改めて感じさせられたお手紙でした。
中学入試本番まで、残り50日を切りました。すでに千葉県の第一志望入試や帰国入試などでは、入試結果も出てきています。今年度の受験生たちは、新型コロナウイルスの影響下での受験学習で、不安を感じている生徒もいるはずです。ここからの期間、どこまでやりきることができるかで、入試当日の気持ちも変わってくるはずです。早稲田アカデミーでの最後の日々、それぞれの目標に向かって突き進めるように、応援してまいります。
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