『雪』
2021.01.13
新型コロナウイルス感染症に関する報道が連日続いています。埼玉県の私立中学入試が1月10日から始まり、いくつかの学校の入試風景がテレビのニュースでも報道されていました。「感染防止対策」を徹底して実施される入試の映像も流れていました。一方で、「緊急事態宣言」の発出に伴い、急遽「入試要項」に変更を加えている中学校も出てきているようです。「面接試験のとりやめ」であったり「面接試験を口頭から記述に変更する」という発表であったり、さらには「合格発表」の形式や日時なども変更される学校もあるようです。各学校のホームページで変更点が公開されていますので、ご確認ください。
今年は「新型コロナウイルス」の影響が大きいため、あまり話題になりませんが、この時期受験生に影響を及ぼすものとして、「インフルエンザ」と「降雪」があります。今回は「降雪」について触れさせていただきます。
先日、「寒波による大雪」に関する報道がされていました。特に日本海側では被害も大きく出ているようです。昨日(1月12日)は関東地方でも降雪予報が出されていたようですが、朝になって「積もることはない」という予報に変わりました。埼玉県の受験生への影響がなかったのは、ちょっとホッとしたところです。数年前、1月・2月に関東地方でかなりの大雪が降り、中学入試・高校入試・大学入試それぞれで大きな影響が出たことを思い出しました。
首都圏の場合、雪が降ると喜ぶ小学生が多いようです。もちろん寒さが苦手で家の中にこもっているお子様もいらっしゃるかもしれませんが、多くは外で雪と戯れて遊んでいるような気がします。雪が日常となっている地方では、雪害などという言葉もあるように、場合によっては被害をもたらすこともありますので、雪が降ったからといって喜ぶことはないでしょう。しかし、首都圏にお住まいのお子様にとっては、雪は珍しく、非日常的な出来事なので、なんとなくワクワクしたりもするのだと思います。
さて、水が凍るときの温度は0℃です。しかし、東京で雪が降るときの気温は最低気温でも1℃~3℃程度で、氷点下にはなっていません。では、なぜ雪はとけずに降るのでしょうか。
小学生に話をすると、首をかしげる問題です。よろしければお子様に聞いてみてください。お子様はなんとお答えになるでしょうか。実は専門的に解説をすると、この問題には二つの段階の説明(考え方)が必要となります。
まず一つ目は、「雪はどこでできるのか」という点です。水分が凍って雪になるのは上空です。そして、上空の気温は地上付近と比較をすると非常に低いということに思い至れば、小4段階としては合格点でしょう。地上で3℃くらいの気温の場合、地上1,500mではマイナス3℃~マイナス6℃くらいだそうです。もちろん、すぐに自分で考えつくことはないでしょうから、「雪が凍るのはどこかな?」「そこの温度はどうかな?」というように、考える道筋をつけてあげることも必要なはずです。
二つ目は「上空でできた雪はなぜとけないで降ってくるのか」という点です。上空で凍ったとしても、地上付近が0℃よりも高ければ、そこでとけてしまうと普通ならば考えるはずです。しかしとけずに降ってきて、さらに積もっていくのはなぜなのでしょうか。大人でも「あれ? 確かにそうだな……」と首をひねってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこの点には湿度が影響しているのです。湿度が低いと、雪がとけることによってできた水が蒸発しやすくなります。この水が蒸発するときに、周りから熱を奪ってしまうことで雪の温度が上がらず、雪がとけにくくなるのです。
二つ目のポイントについて、小4時点では学習もしていませんし、なかなか自分で考えつきづらいレベルの内容です。もしお子様に説明するとしたら、たとえば、注射をするときにアルコール綿で腕を拭いた後、ヒヤっと感じるのも同じ原理だと教えてあげることができます。身近な事象がさまざまなところでつながっていることがわかると、理科に関しての興味も湧いてくるのではないでしょうか。
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