『栄光の架け橋』
2021.07.07
東京オリンピック・パラリンピックに向けた準備が進んでいます。新型コロナウイルス感染症が蔓延している中での開催に関しては、さまざまな意見がありますし、「無観客開催」「観客人数の上限」といった点に関しては、まだ結論が出ていない部分もあるようです。開催の是非などについては、専門家ではありませんから、私が論じることではないと思っています。ただ、当たり前のことですが、一番大切なのは人々の「命」であり、「健康」であり、「安全」であるという点について異論はないでしょう。オリンピック・パラリンピックが行われるのであれば、参加する選手や、関係者・スタッフの皆様、そして日本全国の国民が、すべて終わったあとに「開催されてよかった」と思える大会になってほしいと思っています。
「栄光の架け橋」という曲があります。もちろん、ご存じの方は多いことでしょう。2004年のアテネオリンピックのときの、NHKの公式テーマソングとして作られた曲ということのようです。もう16年も前の曲だということに、少し驚いています。この曲は「受験生の応援ソング」として使われることも多くあります。特に「入試直前期」には、その歌詞が受験生や保護者の皆様の心に大きく響くようです。
「オリンピック」も「受験」も、それぞれにとっての「大きな目標」であるという点では同じことでしょう。そして、その目標のために何年もの間、努力をし続けるという点についても同じです。さらに、その目標はたやすく手に入るものではなく、その努力の過程には数多くの困難があり、ときには挫折感を味わうこともあるという点でも。
そして、その努力が「輝き」につながっていくのだと、私は考えています。オリンピック選手が競技しているときに輝いて見えるのも、受験生が志望校への合格を勝ち取って、次のステージへと進むときの輝いた笑顔も、そこまでの努力の成果だと思うのです。
「受験は成長機会」という言葉が使われることがあります。いまの日本において、大学まで進学を考えたときには、どこかのタイミングで「受験」を必ず経験しなければなりません。努力をし続けている生徒たちは、その瞬間に自分が人間的に成長しているという感触はないでしょう。「学力が伸びている」とか「志望校に少しずつ近づいている」とか、そんな感触は得られるかもしれませんが、その先につながる力が養われているということには気が付くはずはありません。ただ、後から振り返ってみると「あのときの経験が、いまの自分につながっている」、そんな想いが湧いてくることがあるはずです。受験を乗り越えた先のステージで、そしてその先の未来で、さらに大きな目標に向かって進んでいくときに、受験に本気で立ち向かった経験は必ず生きてくるはずです。
早稲田アカデミーでは、「成績を伸ばして合格に導く」という進学塾の役割を果たすのはもちろんですが、目標に向かって本気で取り組ませることで、将来につながる力を育てていくことができると考えています。
オリンピック・パラリンピックが行われるのであれば、そこへ向けて努力を続けてきた選手たちが輝ける舞台になってほしいと思っています。そして、いま自分の「大きな目標」へ向けて努力をしている生徒たちが、それぞれの目標に向けて本気で取り組めるように、そして「受験」という舞台で輝けるように、応援を続けていきたいと、強く想っています。
以前、勉強を始める前の習慣として、「栄光の架け橋」を聴きながら一緒に歌うという生徒がいました。昔、私もスポーツをしていたときに試合前に必ず聴く曲がありました。音楽が好きな生徒であれば、そんな習慣もよいかもしれません。「頭の切り替え」ができたり、「集中力」が生まれたり、といった効果が期待できると思います。受験生応援ソングと言われるものは、他にもありますので、よろしければ探してみてはいかがでしょうか。保護者の皆様も「元気」がもらえるかもしれません。
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