『金メダル』
2021.07.09
東京には4回目となる「緊急事態宣言」が発出されることになったようです。感染拡大はまだ予断を許さない状況ですので、皆様もお気を付けください。結果として、オリンピック・パラリンピックは「緊急事態宣言下での実施」ということになります。この原稿を書いている段階では、まだ「無観客開催」に関しての結論は出ておりませんが、実施されるのならば、選手や関係者はもちろん、日本国民全員に対する「健康面の安全」に最大限の配慮がなされ、終わったあとで「実施されて良かった」と思われる大会になってほしいと考えています。
このコロナ禍は日本だけではなく、世界で見ても「歴史」となるものだと思います。もちろん、良い意味での「歴史」とは言えないでしょう。それでも、今の小学生が大人になり、その子どもたちが「歴史」を学ぶときには、「2020年・2021年のコロナ禍」が「令和時代」の一つのポイントとして扱われることになるのではないでしょうか。そして、そのなかの大きなテーマが「2020年に予定されていたが、世界的なウイルスの感染拡大によって1年延期された東京オリンピック・パラリンピック」となるはずです。「東京オリンピック・パラリンピックは全世界的なコロナ禍のなか、さらには開催地の東京に感染拡大による緊急事態宣言が発出されるなかで実施されたが、万全の対策によって大成功に終わり、新型コロナウイルスに翻弄されていた全世界に元気を与える大会となった」。そんな「歴史」となってほしいと、個人的には切に願っています。
オリンピック・パラリンピックに関する話題の続きです。今回はそのシンボルである「メダル」について書かせていただきます。
今回のオリンピック・パラリンピックでアスリートに贈られる「メダル」は、約5000個。それらに使われる金属は100%、「都市鉱山」から集められたそうです。ご存じの方も多いと思いますが、使用済みの家電(携帯電話など)を回収して、そこに含まれる金属をメダルの原料とする「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」という公式プロジェクトが行われていました。2017年からスタートしたプロジェクトで、2年間で必要量のすべてが集まったとのことです。SDGsに基づいた活動としても話題になっており、授業で取り上げている小学校もあるようです。今年の早稲田実業中の社会の入試でも出題されていました。自分の使っていたスマホの一部が、メダルになってオリンピック・パラリンピック選手に贈られる、というのは「夢」がある話だと思います。
現在、日本の金鉱山はほとんどなくなっているようです(鹿児島県の菱刈鉱山だけが唯一操業しています)。もともと日本には金属資源を産出する鉱山そのものは多くなく、国内で使われる金属の多くを輸入に頼ってきていました。しかし、使用済み家電などから取り出して再利用する金属を資源と考えれば、日本国内にはたくさんの金属資源があることになるわけです。その考え方が「都市鉱山」という言葉になっています。
中学入試の時事問題でも出題されそうなテーマですが、お子様の「夏の自由研究」としても面白そうですので、ご紹介させていただきました。
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