『今年のうちに……』
2023.11.17
急に寒くなってきました。特に朝晩の気温の下がり方は、「冬」を感じさせます。年齢のせいか、以前よりも寒さに弱くなっているようで、今年は早々にコートを引っ張り出しました。例年ならば、コートを着るのは12月になってからだったのですが。
「今年も残り二カ月を切り……」「紅白歌合戦の出場者が決まり……」という言葉がテレビから流れてくると、年の瀬を意識して、何となく焦燥感を覚え始めます。「今年のうちにやっておかなければならないこと」を考え始めてみたりもするわけです。
進学塾では2月から新学年がスタートしますので、現学年カリキュラムでの学習も残り二カ月半ということになります。お子様のテキスト(コンパスや予習シリーズなど)をご覧いただいても、いまの学年で扱う単元が残り数回となっていると思います。今回は「それぞれの学年で、(冬休みも含めて)現学年のうちにやっておくとよいこと」をご紹介してまいります。
[小1~小4]「学習・勉強の本質的な『楽しさ』を経験する」 学年が上がると学習内容の難度は上がります。「難しい」と感じることもあるでしょうし、宿題にかかる時間が増えて「つらく」感じることもあるでしょう。もちろんある程度の期間が過ぎれば、その学年としての難度に慣れてくるものですが、その手前で「難しくても、ちょっと大変でも」前向きに取り組むためには、学習することの「楽しさ・おもしろさ」を現学年のうちに経験しておくことが大切です。自分でできたという「成功体験」や、難しい問題が理解できたときの「感動体験」をぜひこの冬に経験してもらいたいところです。
[小3~小4]「日常的な学習習慣を確立する」「集中して学習できる場所」 学年が切り替わればテキストも変わりますし、宿題の内容も変わってきます。現在の早稲田アカデミーカリキュラムにおいては、小3から理社の科目学習が増えますし、小4から小5では通塾日数が増えることになります。ですから、いまの時点で新学年の一週間の学習リズムを細かく考えることはできません。2月に新学年がスタートして、どのような課題にどれくらいの時間がかかるのかを見極めてから、一週間の詳細な計画を立てていけば問題ありません。その手前の段階として、「塾がない日の学習時間をきちんと定めておくこと」、「お子様が学習に集中できる時間を見極めておいていただくこと」が大切です。さらに「集中して学習に取り組める場所」を決めておくこともおすすめしています。
[全学年]「学習面における基礎知識の確認と定着」 現学年での学習における基礎知識をあと二カ月でしっかりと定着させておくことも必要です。応用的な知識は新学年でも扱うことが多く、現学年の間に定着しきる必要は必ずしもありませんが、土台となる基礎知識や基礎的な学習方法に関しては、しっかりと定着させておかねばなりません。セミナーの中では具体的な事例として「暗記方法」「計算方法」などについて触れさせていただきました。ここからの冬期講習会、1月授業は現学年の「まとめ」が扱われる学年・クラスが多いはずですので、この期間の学習をしっかりと行っていくのがよいでしょう。
「中学受験学習を進める小学生にとって、一年の中で大切な時期を二つ」と問われたら、迷わず「夏(7月~8月)と冬(12月~1月)」とお答えしています。夏は年間で一番まとまった学習時間がとれる「夏休み」があるからなのは、おわかりいただけることでしょう。一昔前よりは短くなった学校もあるとはいえ、約40日間の夏休みはお子様を大きく成長させる時期です。小6受験学年では受験に必要な学習単元を総復習し、秋以降の「実践力・得点力」の向上を図る時期の土台をつくる非常に重要な時期となります。非受験学年においても、そこまでの復習をするとともに、秋以降に一段階レベルが上がる学習へ向けた先取り学習を、密度高く行うための大切な期間となっているわけです。
一方で、冬休みは期間こそ短いのですが、やらなければならないことそのものは、夏とはそれほど変わりません。もしくは、学習量ではなく学習内容的な面で考えれば、夏以上に「濃い」学習を進めることが必要です。各学年の総まとめ的な学習を行いながら、新学年からの学習に備えた「橋渡し」的な学習を行っていくことが必要な時期となってくるわけです。
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