『笑顔の効果』
2023.10.25
「笑顔」で毎日を過ごすことは大切だと思っています。以前、1歳の子どもがいる職員との会話のなかで、「両親が笑顔でいると、子どもの機嫌もいいんですよね」という話を聞きました。何となくわかる気がしましたし、そしてそれは別に乳幼児期だけのことではないだろうなとも感じました。
子どもは親の気持ちをとても敏感に察知するものだと思います。10歳前後までは、親からどう評価されているかが一番大きな関心事だと言われています。たとえば、受験したテストの結果でもお父様やお母様がどう言ってくれるのかが一番気になるわけです。そこから成長してくると、自分と同じクラスで勉強している友人がどれくらいの点数を取っているかが気になり始め、だんだんと「負けたくない」という気持ちも生まれてくるようになってくるものです。精神的に成長してくれば、子どもの世界も広がり、だんだんと「親の気持ち」以外にも気になることが増えていくものですが、少なくとも小学生の間は(もしくはそれ以上になっても)「親の気持ち」が、お子様の心の中で非常に大きな位置を占めるのは間違いのないことでしょう。
もし、ご家庭の中でお父様とお母様がケンカをしていたら、お子様はどんな風にそれを感じているのでしょうか。そしてそのケンカの原因が自分のことであったとしたら……。もちろん、お父様とお母様の間で意見の対立が生じることはあることでしょう。また、お子様のテストの結果が悪ければ、お父様もお母様も機嫌よくお子様に接することができないと思います。いつも、どんなときでもニコニコしていることがよいわけではありません。
ただ、中学受験という大きな目標に向かっていくお子様にとって、一番必要なのはご両親の応援であり、サポートであると私は考えています。受験直前期だけでなく小3・小4であったとしても、毎週の学習単元はその学齢のお子様にとっては高いハードルが設定されています。お子様は「自分にできるだろうか」という不安を抱えながら、毎週、問題に向かっているとお考えください。その不安を拭い去り、前向きに学習に向かうための後押しとなるのは、やはり「両親の支え」であるように思います。「お父さん、お母さんが応援してくれているからがんばる。応援があるからきっと自分にもできるはずだ」そんな気持ちで学習に向かっていってほしいと考えています。
前向きな気持ちをつくるためには、「自己肯定感・自己効力感」が必要だと言われることがあります。「自分には無理だ、自分ではできない」という「自己制限・自己否定」的な気持ちではなく、「きっと自分はできるはずだ」と思うことが大切なのです。実際に私が担当してきた生徒でも、成績をグンと伸ばす生徒は「自己肯定感」を強く持っているように感じることが多くありました。この「自己肯定感・自己効力感」をつくるためには、ご両親が自分という存在を認めてくれていると思えることが必要だと考えています。
親子やご家族で「笑顔で過ごせる時間」というのは、そういった点でとても大切だと思っています。ぜひ、お子様と一緒に笑顔で過ごせる時間を大切にしてあげてください。私も校舎で「笑顔」を絶やさないように心がけてまいります。
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