『サンタクロース』
2017.12.08
気がつけば、もう12月。街にはクリスマスイルミネーションが目立つ時期になりました。一年が経つのは本当に早いなぁ、などと思いながら、今回は以前のクローバーセミナーアンケートにお書きいただいた質問についてお話ししたいと思います。
『息子はまだサンタクロースを信じています。(私は小1のときにはいないと知っていたのに……)ちょっと大丈夫かしらと心配になっています。いつ教えたらよいでしょうか。(小4・男子)』
サンタクロースがいると信じているのは、悪いことではないと思います。成長してくれば自然にわかってくると思いますし、そのことだけを取り上げて精神的な成長が遅いとも言い切れないでしょう。思い入れが強いほど、その存在を疑いたくないということもあるはずです。
「いつ教えたらよいのか」というご質問に対しては、「お父様・お母様からあえて教える必要はないのでは」というのが私からの答えです。きっと、どこかのタイミングでサンタクロースの存在についての疑問はお子様の中にわいてくるはずです。その疑問をどのような形で解決するかは、それぞれのお子様によって違いがあるでしょう。直接的に「サンタさんって本当はいないの?」と聞いてくるお子様もいるでしょうし、自分の中で理解し納得するだけのお子様もいると思います。いつかは理解をし、そしてサンタクロースからのプレゼント(だと思っていたもの)の裏に隠された、ご両親の愛情を知るときがきっとくるはずです。
12月の小学生の授業ではたまにクリスマスやサンタクロースの話題が出ることがあります。
「サンタさんに手紙書いたんだよ。今年は○○がほしいって」
「えっ? なに言ってんだよ。サンタクロースなんてお父さんに決まってるじゃん。」
そんな生徒の会話になるのですが、そのとき私は「サンタクロースはいるよ」と答えています。
「信じている人のところには今年もちゃんと来てくれるはず。信じない人のところには来なくなっちゃうから代わりにお父さんがプレゼントをくれるんだよ」と答えるようにしています。
「じゃあ、先生は信じているから、来るの?」
「いや、大人になると……」
中学校1年生のときだったと思います。もちろんサンタクロースは信じていませんでした。クリスマスの朝、目が覚めたら枕元にクリスマス模様の包み紙が置いてありました。びっくりしたのを覚えています。小学生の終わりくらいには、そんな形でのプレゼントはなくなっていましたので……。あわてて開けてみたところ、一冊の本が出てきました。城山三郎の「落日燃ゆ」のハードカバーでした。パラパラとめくってみたところ、当時の私には難しそうに感じたのをはっきりと覚えています。すぐにわかったのですが、父からのプレゼントでした。自分が読んで面白いと感じたのでしょう、私にも読ませたいと考えたのだと思います。すぐには読めませんでしたが、大事に持っており、その後何度か読みました。実は今でも色あせた本を大切にとってあります。その当時の父と同じくらいの年になった今、父の気持ちが少しわかるような気がします。今年のクリスマスにもパラパラとめくってみようかと考えているところです。
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