『テキストの答えを写してしまう……』
2017.11.17
小3や小4の保護者の皆様からときどきお受けする相談があります。「宿題をやっているときに答えを写していることがあるのですが……」「計算テストで隣の生徒の答えを見ているようなんですが……」
「カンニング」と聞くと、とても心配になられると思います。しかし、小学校低学年から中学年の生徒の場合、特に珍しいことではありません。隣の生徒の答案を見て答えを書き写すのは、良くないことだと誰もがわかっています。ただ、それがなぜ良くないことなのかが曖昧なので、「自制心」が働かずに写してしまうのです。
以前、「ご家庭でのルール」というテーマで書かせていただいたのですが、「なぜいけないのか」というルールの意味がわかっていないと、なかなかそれを守れないのです。自分で解かなければ力はつかないということはわかっていても、勉強する目的が曖昧だと「自分で解く」というルールを守れないこともでてくるのです。そして解答を写してしまうと、なんとなく宿題を終わらせたような気がしてしまうので、注意されてもピンとこないのです。
まず、保護者の皆様にご理解いただきたいのは、このようなことはよくあることなので、必要以上に心配をされなくてもよいということです。もちろん、小6受験生になってもカンニングをしてしまう場合は、入試結果にも影響しますし、中学進学後も問題になりますので、指導し矯正する必要があります。しかし小4までの時期であれば、それほど目くじらを立てる必要はありません。もし、塾の先生から「隣の生徒の答案を写した可能性がある」というようなお話があったとしても、その行為自体を大きな問題と捉えてはいないはずです。ですから、お子様を厳しく問い詰めて叱るようなことはなさらないでください。もし、その必要がある場合は、先生の方からその点に関してもアドバイスがあるはずです。
ただ、あまりにも気になるようであれば、そのテストをもう一度やらせてみるのがよいでしょう。もう一度やって自分ではできないのに、答えが合っていたのであれば、「自分で解くようにしなさい」と指導をすればよいのです。写したという行為よりも、自分で解かなかったということを注意するようにしてください。
さて、来週の水曜日には、今年度最終回となる「クローバーセミナー」を実施します。「年末から新年度へ向けて」と題して、冬の学習の方向性などについてお話しさせていただきます。ご都合の合う方は、ぜひお越しください。
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