『香港講演会』
2018.05.30
前回の記事に書かせていただいたように、先週の金曜日から今週の月曜日まで、香港に行ってまいりました。ガイドブックによると、香港は「雨季」のようだったので心配していましたが、幸い滞在中は晴天に恵まれ、講演会にもたくさんの方にご参加いただくことができました。講演会の中で、このブログのことを紹介させていただきましたので、お読みいただいている方もいらっしゃると思います。この場を借りまして、お礼申し上げます。本当にありがとうございました。
今回の講演会は、「中学受験講演会」「有名進学校講演会」「高校受験講演会」という三部構成で行われました。私はその中で、「首都圏中学入試」「首都圏高校入試」の二部を担当いたしました。時間の制約もありましたので、学校ごとの細かい状況は資料をお渡しし、「首都圏入試の大きな流れ」というテーマを取り上げて、お話しさせていただきました。少しだけ紹介させていただきます。
ここ数年の首都圏入試では、やはり「大学入試改革」を見据えた学校選び、さらには学校側の出題傾向という点が一番のポイントになっています。学校選びにおいては、「どのような大学入試になるかという不安」から私大の附属校人気が高まっているのもありますが、単にそれだけではなく、進学校においても大学入試改革でキーワードとなっている「思考力・判断力・表現力」「主体的な学習姿勢」といった力を養ってくれる学校が選ばれているのが現状です。この点に関しては、首都圏だけではなく全国的な傾向になっています。
一方で首都圏特有の傾向としては、私大の「定員厳格化」の影響があります。以前は「定員充足率」が1.2倍までは私学助成金が大学に交付されていたのですが、この基準値が一年ごとに厳しくなり、今年は1.1倍までに抑えられています。最終的には1.0倍までに抑えることが求められているため、首都圏の難関私大は軒並み「合格者数」を減らす方向に動いています。結果として、首都圏の難関私大の入試難度が高くなっている(さらに今後も上がるという予測がある)という点が、中学校・高校の「学校選び」においても大きな要素となっているのです。
上記のような「学校選び」の状況についてお話ししたのですが、さらに私がお伝えしたのが、「大学入試改革」の背景にある部分です。大学入試が「どう変わるのか」ということよりも「なぜ変わるのか」という点を、ご理解いただくことで、次のステージをどのように選び、そこでどのように「学ぶ」のかの方向性が見えてくるはずです。非常に簡単に言ってしまえば、「より高い専門性、より広い視野」が必要となる「多様化する社会の中で活躍するための力」を、大学で学ぶための土台ができているか、が試される入試に切り替わるということです。さらには、大学入試の制度が変わるだけではなく、一番大きいのは高校の学習指導要領が変わることだと考えております。説明会の後半では、今春の入試問題をご紹介しながら、中学入試や高校入試で求められる力が変化してきていて、そこに向けた学習(内容も方法も)も変わっていっているという点について具体的にお話しいたしました。
実は、今回の講演会での渡航は私にとっても大きな収穫がありました。現地の先生方、有名進学校の先生、さらには関西圏の難関進学塾の先生方の講演を聴く中で、さらにはいろいろとお話をさせていただく中で、さまざまと勉強になる部分が多く、もっともっと精進していかなければならないと強く思わされました。そして、それぞれの先生方が場所や立場の違いはあれども、これからの将来を担っていく子どもたちへの思いを強くお持ちになっていることを感じ、私自身もさらなる思いと新たな気持ちで、生徒たちと接していきたいと決意して帰ってまいりました。
最後に、やはり香港の「夜景」は素晴らしいものでした。
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