四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『6月3日 全国統一小学生テスト』

2018.06.01

いよいよ、次の日曜日(6/3)に「全国統一小学生テスト」が実施されます。「全国統一小学生テスト」は、小学校で行われているテストとは異なり、満点を取るのは難しいテストになっています。単なる「知識」や「処理能力(正確性・スピード)」などが問われるだけではなく、「思考力・発想力・応用力」といった力も試される問題が多く出題されているので、難度が高くなっています。例年、「習っていない問題が出た」と言うお子様がいらっしゃいます。「習っていない」というよりも、「いままで経験したことがない」というのが正しいのですが、「見たことがない=知らない=習っていない」という表現になってしまうようです。算数を例にとると、計算方法などは各学年の学習指導要領で習っている範囲から(原則として)出題されています。その点から言えば「習っている」はずの問題なのです。しかし、「初めて見る問題をその場で考えて解く」という経験をしたことがないお子様にとっては、苦戦する可能性もあると思われます。


そんな「見たことがない問題」が出題されますので、お子様には「難しいと思った問題は後回しにして、できる問題から解きなさい」というアドバイスを、テスト直前にしておいていただくのがよいでしょう。全体として、一般的な小学生にとっては問題量も多く感じられるはずです。時間内に「いまの力」を100%発揮するためにも、途中でつまずいてしまって、できるはずの問題に手がつかない、という状態はつくらないようにしてあげることが必要です。


また、算数では問題文が小学校の教科書と比較をすると「長く」なっています。特に小3・小4のお子様にとっては、「問題文を読んで理解する」というところでつまずいてしまうこともあると思います。「問題をしっかり読んで、図を書いて整理してみよう」というようなアドバイスも効果的です。たとえば「1から9までの数字を書いたカードが1枚ずつあります」という問題では、実際にカード(四角)を9個書いてみるわけです。


さて、「全国統一小学生テスト」で出題されるような「見たことや経験したことがない」問題に対して、投げ出さずにしっかりと考えられるようになることは、これから先のお子様の将来にとって非常に大切です。本に書いてあることや誰かに習ったことを、理解し身につけて、自分でもできるようにすることは学習の基本でもあり、大切なことです。しかしそれだけでは、それ以上のことができるようにはなりません。より多様化し、専門性が高くなっている現代社会においては、小さくは大学での学びや研究の中で、大きくはその後の社会人としての生活の中で直面する問題を自らの力で解決し、次の一歩を踏み出すことが求められます。「習っていないからできない」と思考を止めてしまうのではなく、「教わったことはないけれど、今持っている知識を総動員し、さらに自分で考えて、自分なりの答えを出す」という姿勢を、小学生の間に身につけられるようにしていただければと思います。


全国統一小学生テストのポスターには「そのテストは、ぼくの中の何かを変えた。」というキャッチコピーが書かれています。全国の子どもたちに勉強するきっかけを与えたい、という意図のもとに実施されるテストであることがよくわかる言葉です。いままでに「見たことがない問題」を真剣に考えることが、次へ向けた一歩となるように、ご家庭でも受験するお子様を応援してあげてください。

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