『受験生としての……冬』
2020.12.09
今日は12月9日。東京・神奈川の私立中学入試が始まる2月1日まで、残り53日となります。埼玉・千葉の入試は1月中にありますから、残りの日数はもっと短くなるわけです。いよいよ、直前期、ラストスパート……、そんな言葉で表される時期になってきました。受験生だけではなく、我々講師にとっても文字通り「正念場」となります。目の前にいる生徒全員が第一志望校の門をくぐることができるように、より一層指導に集中する時期がやってきています。
早稲田アカデミー各校舎でも志望校を決める面談が行われ、志望校の過去問演習もかなり進んでいるところです。小6生の必修テストである四谷大塚の「合不合判定テスト」の最終回も終わり、志望校の合格可能性判定も出そろいました。
受験情報誌などを読むと「冬休みから1月は調整期間に充てて、当日100%の実力を発揮できるように……」などと書いてあることがあります。たしかに体力面・精神面を調整することも必要でしょう。しかし、私はその考え方にはあまり賛成していません。残り期間が一カ月であったとしても、成長過程にある小学生はここからまだまだ伸びるのです。
これまでも「逆転合格」と言われる結果を何度も見てきました。「早稲アカのおかげで無理だと思っていた学校の合格を勝ち取ることができました」という合格体験記もたくさん見てきました。ただ、私から見ると、その合格は「逆転」でも「奇跡」でもないのです。模試が行われる12月までは、思うような結果を出せなかった生徒が、1月にいままでに蓄えてきた力を発揮できるようになって伸びた、ただそれだけのことなのです。もちろん、最後まで諦めずに受験生が頑張ること、講師が生徒を信じて指導し続けることが大前提ですが。
受験生にとって、ここからもう一段階伸びる「鍵」となるのが、「冬休み」の過ごし方です。小6生によく言うのが「早稲田アカデミーで最後の講習会」という言葉です。小6受験生になるまでに、学校の長期休み(春休み・夏休み・冬休み)には、「講習会」を経験してきたはずです。その最後となる「冬期講習会」がやってくるのです。年末年始には「正月特訓」も行われ、短期間ではありますが集中した授業と家庭学習で、志望校へ向けた「合格力」を高めていくことになります。
志望校の過去問題をやっていても、まだ「得点が安定しない」「合格ラインに到達しない」と不安そうな顔をしている受験生もいるのですが、ある意味当たり前のことです。「冬休み」にもう一段階レベルアップをして、入試本番を迎えるのですから。
新型コロナウイルスの影響下で、小学校の「冬休み」も例年より期間が短くなっています。早稲田アカデミー各校舎では、例年と同じレベルの「受験生としての直前期学習」がやり切れるように、講習会の時間割などを工夫しているところです。
さて、非受験学年の皆様にとっても、「現学年のまとめ」として「新学年へ向けた準備期間」として、冬休みの学習はとても大切になります。次学年へつながる「冬休み」の過ごし方として、私はよく、受験生としての「冬休み」をイメージして、目標を持って過ごすように、と話します。受験生たちは、ひと月先の受験に向けてラストスパートをかけるわけですから、その目標は中・長期的なものではなく、短期的な目標の方がよいでしょう。例えれば、短距離走の感覚と言ってもよいかもしれません。夏休みは期間が長いため、中・長距離を走る持久力も必要ですが、冬休みは短距離を全力疾走する集中力と瞬発力が重要になってきます。そう考えると、比較的近いところにゴールが見えていることが必要になってくるわけです。
早稲田アカデミーにお通いの小3・小4の方であれば、1月末に行われる新学年からの「公開組分けテスト」(1/23・24予定)が目標としては最適だと思います。時期的にもちょうどよいタイミングですし、単なるテストではなく、組が決まるという「結果」が出る点でも目標としやすいはずです。将来の中学入試の「模擬練習」のような感覚で、このテストを目標に設定していただくのがよいのではないでしょうか。
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