四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学受験学習の進め方② ~真剣に学習に取り組む~』

2021.02.26

前回、精神的成長段階にある小学生が、効果的に学習を進めるために最も大切なことは、「ひとりで真剣に学習に取り組むこと」と書かせていただきました。授業中に真剣に聞かせるのは講師の役割です。しかしそこでは教わった内容がまだ「わかる」という段階です。そして、実際に「わかった」学習内容を「できる」ようにするためには、「自分の力で真剣に取り組む」ということが不可欠です。しかし、小学生が「ひとりで」真剣に考えるというのはなかなか難しいことなのです。


家庭学習において、「真剣に」取り組める環境を用意するのは保護者の皆様の働きかけによるところが多くなります。最難関校に合格した生徒のお母様から以前伺った話です。お子様が「家では集中できないので、図書館で勉強したい」と言い出したそうです。確かに家には兄弟もいるし、早稲田アカデミーは休業期間だし(ちょうど夏期合宿期間で校舎では授業を行っていませんでした)、図書館ならよいと思い送り出したそうです。出かけて少し経ってふと見ると、今日やらなければならないはずの課題を忘れているのに、お母様が気付かれ、「届けてあげよう」と思って図書館に向かわれたとのことでした。お子様を見つけて近寄ってみると、そこには図書館にある漫画を積み上げて読んでいる姿が……。お母様は嘆かれていました。自習室や図書館で、本当に真剣に取り組めるのは中学生や高学年になってからだと、私は考えています。


さて、小学生が一番真剣に問題に取り組むのはいつでしょうか。私のイメージでは、授業中に問題を解かせているときは真剣度70%、家庭学習では50%、その程度だと思っています。家庭学習での真剣度が70%を超えるようになれば、成績はかなり向上していくでしょう。しかし、授業や家庭学習ではそのレベルの学習であり、自分ではまだ「できない」問題が「できる」ようになるという「階段を上がる」のには不足しているのです。


小学生が100%の力で問題に取り組むのは、「テスト」を受けているときです。授業でも家庭学習でも真剣さが足りないひとつの要因として、「依存心」が挙げられます。「できなければ先生に(お母さんやお父さんに)教えてもらえればよい」という気持ちが、小学生の中には必ずあるものです。問題を読んで少し難しいと感じたら、もう一歩踏み込めば「できる」はずなのに、そこで考えるのをやめてしまうことが多くあります。しかし、この「もう一歩」ができるための「大きな一歩」なのだとお考えください。


テストでは誰しもが「よい点数」を取りたいと思っています。ただ、テストを受けている間は誰も頼ることはできません。自分の力で考えきることしか方法はないのです。「難しい」と感じた問題でも、真剣に考えてみる、その考えている瞬間にお子様は階段を一歩上っているのです。たとえ、その問題が解けなかったとしても、「真剣に考えた経験」によって、成長しているのです。


早稲田アカデミーでは、小学4年生・5年生を対象とした隔週土曜日に、二週間分の学習単元テストを実施する「カリキュラムテスト」を行っています。小学6年生では「土曜YT講座」が行われています。これらのテストは真剣に問題に取り組ませることで、単元学習の内容を「定着」させるテストになっています。すでに各学年で第1回のテストが実施されました。私のクラスでも結果をご覧になったお母様からのご相談をいただいております。次回の記事では、これらのテストの「活用法」についてご紹介させていただく予定です。

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