『メガネを変えたね!』
2021.03.10
春らしい季節になってきました。都立公園では、飲食を伴うお花見ができないように柵が設置してある、というニュースを見たのですが、新型コロナウイルスの影響下でも桜はきれいに咲くことでしょう。そして、明るい季節へと移ろっていくはずです。公園でマスクを外して深呼吸ができる日を心待ちにしています。
今年度の受験生たちも、進学先を決めて落ち着いてきているころだと思います。これまでガマンしてきたことを思いっきりやりたいと思いながらも、外遊びなどに関しては制限がかかっていたり、ご家族で美味しいものを食べに行きたいと思っても、お店がやっていなかったり……。でも、新しいステージはすぐ目の前に来ているのです。小学校の卒業式や、中学校の入学式など、どのような形式になるのかはわかりませんが、一生に一回のセレモニーですから、生徒とそして保護者の皆様の心に残るものになってほしいと考えています。
さて、今回はお子様の表情についてお話しします。以前、校舎で三者面談を実施したときの話です。お母様とお子様がお帰りになるときにエレベーターの前でお子様に「そういえばメガネ変えたんだね、似合っているよ」と声をかけました。お母様がちょっと驚かれて、「メガネを変えたのまでわかるんですね」とおっしゃったのですが、「もちろん!毎日ではありませんけれど見ていますから……」とお答えしました。
塾の講師は、私に限らずお子様の顔はよく見ているはずです。さすがにスニーカーが新しくなってもいても気がつくことは少ないのですが、髪型が変わったり、メガネが変わったりすれば、それはわかります。
こんなこともありました。入塾したばかりで、性格も大人しめで口数もあまり多くない女の子がいました。ある日、授業前に私が校舎の前で生徒たちを出迎えていたところ、その子が登塾してきました。普段よりもにこやかで、何か言いたそうな表情で近づいてきたので、「どうした?なんかうれしそうだね」と声をかけてみたところ、「誕生日なの、今日」と教えてくれました。「そうなんだ!おめでとう!プレゼントは何をもらったの?」というような言葉を2つ3つ交わして、そのまま授業に参加したのですが、それから彼女の授業に参加する姿勢が少し変わったように思います。性格はすぐに変わるものではありませんので、一気に積極的になったわけではありませんが、授業中の笑顔が増え、手が挙がる回数も増えてきました。
表情を見て注意の仕方やほめ方を変えることもあります。わかりやすい例で書かせていただくと、たとえば漢字テストで90点だった生徒が二人いたとします。悔しそうな表情をしている生徒、うれしそうな表情をしている生徒、それぞれがいたりするわけです。当然、声のかけ方は変わってきます。クラス全体としての合格ラインが90点と設定されていても、そこでの接し方を変えることで生徒の気持ちも変わってくるのです。ちなみに前回は合格点が取れていた生徒だったり、本来であれば十分合格点がとれる力を持っている生徒だったりが、合格点に達せずにそれでも平然とした表情をしているときには厳しめに注意をします。
お子様と接する上で、顔をよく見るというのは本当に大切なことだとずっと思っています。ご家庭ではもちろん我々以上にお子様の表情などには気を遣われていることと思いますが、新年度を迎えるいま、お子様の顔をもう一度よく見ていただければと思います。思っていた以上に成長している、そんな表情が見られるかもしれません。
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