四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏の成長を促すために』

2021.07.14

いよいよ来週から「夏休み」が始まります。早稲田アカデミーの標準日程では、7月21日(水)から「夏期講習会」期間となるのですが、奇しくもオリンピックの競技開始も同じ日です。緊急事態宣言下での「夏」ですが、お子様にとっては大きな成長につながる「夏」でもあります。


「夏」は学力面でも、精神面でも、また物事のとらえ方や考え方の面でも階段をひとつ上るタイミングだと考えています。私がいままで担当してきた生徒たちも夏休みが明けて、二学期最初の授業では、ひと回り成長した顔を見せてくれました。学校が長期の休みになるので、普段はできないような体験ができますし、ひとつのことに集中して取り組むこともできます。そんななかでお子様方は自分の力を伸ばしていくのだと思います。ぜひ、この夏にがんばるお子様を応援してあげてください。


夏休み前の保護者会やセミナーでは、精神的成長につながる3つのキーワードをお話しすることがあります。それらを意識して接することで、単に「伸びる」のを待つだけではなく、「伸ばす」ということができるはずです。「自覚・刺激・環境」という3つがそのキーワードです。今回は「夏休み」という点を考えて、「刺激」というテーマをクローズアップします。


お子様が大きく「刺激」を受けるのは、自分自身が経験したことがないものに触れたときでしょう。私自身も経験があるのですが、「初めて」の場所に行ったときなどは大きな刺激となって、そこでの経験は強く記憶に残るものです。小学生のお子様は、まだ経験したことが少ないはずですから、「初めて」の体験を意識していただくと「刺激」につながるのではないでしょうか。もちろん、「初めて」であればどこでどのような体験をしてもよいというわけではありません。お子様にとって効果的な体験や経験になるかは、お子様自身の成長段階によって左右されるように思います。


たとえば、夏休みに映画を見るとしましょう。いままでは「ドラえもん」や「ポケモン」などのアニメしか見ていなかったお子様が、初めて少し大人向けの映画を見ることになれば、それは刺激につながるでしょう。しかし、その映画の内容がお子様にとって理解が難しいものだったとしたならば、期待ほどの効果は得られないのはご理解いただけると思います。お子様にとって「初めて」の体験や経験を、ぜひこの夏に……と思うのですが、どのような体験を選ぶかは保護者の皆様の大きな役割だと考えています。


「刺激」という点でもう一つ大きな要素は、「人」からの刺激です。これまでに触れたことがない考え方に触れることができるという点で、いろいろな「人」との会話はお子様の成長にとって、大きな効果があるはずです。たとえば、お父様やお母様のご実家に帰省されたときの、自分とは住んでいる場所や年代が違う親戚などとの会話からも「刺激」を受けることができるはずです。


単に「刺激」を受けるだけではなく、人との触れ合いは「視野を広げる」ことにもつながります。私立中学や高校で実施されている海外への修学旅行などでも、ただ観光名所を回るだけではなく、ホームステイやファームステイなどを行うところもあります。その主な目的は、現地の方と触れ合うことによって、生徒たちの成長を促すことにあります。海外からの留学生を積極的に受け入れている学校も、生徒たちが外国文化やその根底にある考え方などに触れることで刺激を受け、さら視野を広げていくことを期待しているものと思われます。


私自身の経験でも、さまざまなバックボーンや考え方を持った方と触れ合うことは、自身の成長や意識の変化につながるように感じています。実は小学生・中学生という時代だけではなく大人になってからも、「人から学ぶ」という意識を持つことは大切だとも思います。その根底にあるのは、やはり成長期の経験のようにも思うのです。


充実した「夏」にするために、また成長する「夏」にするために、さまざまな体験や、さまざまな人との触れ合いを、お子様に経験させてあげてください。

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