四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『問われていることは何か』

2017.10.06

日に日に秋らしくなってきました。夜、校舎から出たときなどは、涼しいというよりも肌寒く感じます。一昨日は「中秋の名月」でした。薄い雲がかかっていたのですが、時折雲の切れ間から明るい月を見ることができました。一日の中で寒暖差が大きくなっていますので、体調管理にはくれぐれもご注意ください。


さて、秋から冬にかけては大きなテストが各学年で行われます。今回はテストを通じて伸ばしていきたい力について書かせていただきます。


一言で言ってしまえば、問題を読んだときに「問われていることは何か」をしっかりと考えられるようになるということです。大人にとっては当たり前のことですが、小学生にとっては意外に難しいことなのです。「問われていることは何か」がきちんと把握できれば、そこに至るまでの「思考の筋道」を考えられるようになります。たとえば、図形の角度を求める場合、「この角度を出すためには、こっちの角度がわかれば求められるはず。そのためには、この角の外角がわかれば…」というように、ゴールから「逆算」して考えていくことができるようになるのです。


できれば小学校4年生くらいまでに、その感覚をきちんと身に付けておいて欲しいところです。テストを受けたあとに、ご家庭で「見直し・解き直し」をする場合は、お子様に問題を解かせるだけではなく、「何が問われていたのか」を確認することが大切なのです。


小4までに「何が問われているか」ということをしっかりと意識できるようになると、小5以上では「何を答えさせようとしているのか」ということを考えられるようになります。中学入試の問題を解くにあたって、この点はとても重要なポイントです。言い換えれば、その問題を作成した出題者の意図を考えるようになるということです。この考え方ができるようになってくると「難しい」と言われるような問題に対しても、自分で切り口が見つけられるようになります。


国語の記述などでは、中学校によって求められる解答は異なります。同じような内容の問題でも制限字数が倍くらい違うということもよくあります。少ない字数で書かせようとしている学校は端的に表現することを求めているわけですし、多く書かせようとしている学校はしっかりとした記述内容を求めていると考えられます。入試の過去問題を解かせる目的のひとつはここにあり、その学校の出題意図を事前に把握しておくというわけです。


難関校入試の記述問題で、模範解答になっているような完璧な解答を書き切るのはなかなか難しいことです。自分の意見を述べさせるような問題の場合、そもそも正解はひとつではないこともあります。満点解答を書くことが難しくても、出題者の意図に沿って考えることができていれば、部分点をもらえる解答を作ることができるようになります。


中学入試では「学力・能力」よりも「精神的な成長度合い」が大きく影響するといわれます。設問の裏に隠された出題意図を読み取るためには、精神的にある程度成長していることが必要です。選択肢問題には俗にいう「ひっかけ」が隠されていることがありますが、精神的に成長している生徒は、普通の小学生であれば素直にひっかかってしまう、その「ひっかけ」を見破ることがあります。逆に言えば、出題者の意図を読み取る訓練を続けることで、精神的な成長を促すこともできるようになるわけです。


せっかく受験したテストですから、得点や成績がよかった悪かっただけではなく、次につながるように生かしていただければと思います。

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