『見たことがない問題』
2017.10.13
「出題範囲が定まったテスト」(早稲田アカデミーの塾生ならば「小3マンスリーテスト」や「公開組分けテスト」)は、一定期間の学習定着度を測るために行われます。そのため、その期間に学習した範囲から出題されるのが普通です。中学校や高校の「定期テスト」と同じイメージです。一方で進学塾では「出題範囲が定まっていないテスト」も行われます。その時点での総合的な学力をみるうえでとても大切なものです。最終的な目標である中学入試も、総合力を試すテストといえるでしょう。
定着度を測るテストの出題は、「どこかで見たことがある問題」が中心です。一方で総合力を試すテストの場合、「見たことがない問題」が出題されることがあります。中学校によっては、学校説明会で「生徒たちがいままで経験したことがないような問題を出題する可能性があります」と明言しているところもあるようです。
「見たことがない問題」に対して、自分が持っている知識を総動員して考え、正解までたどり着くためには、とても高い「学力=力」が必要です。この「力」は、将来大学で学ぶために、そして社会で活躍するためにとても大切です。大学や社会で直面する問題・課題には、「正解」や「模範解答・解説」は用意されていません。自分の力で考え、解決していかなければならないのです。いま学んでいるのは、単に中学受験に合格するためだけではなく、将来のためでもあるので、「見たことがない問題」に対しても果敢に立ち向かっていってほしいのです。
さて、お子様は「見たことがない問題」に直面したときに、どのように対処していますか。「知らないからできない」「習っていないから無理」とあきらめてしまうお子様も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。でもそれが普通だと思います。誰もが、初めてのことに対しては、そのような気持ちになってしまうものです。そこから「難しいけどちょっと考えてみようか」と思えるようになるためには、経験が必要です。「初めて見た問題だけど、ちょっと考えてみたらできた」という成功体験を積み重ねることが重要なのです。そこにおいては「教わってできた」という体験ではなく、「自分で考えてできた」とお子様が感じられることが一番のポイントなのです。
先日の記事でも書かせていただいた通り、中学受験のための進学塾では、秋から冬にかけて各学年で「総合力を試すテスト」が行われます。早稲田アカデミーにおいても、11月に「全国統一小学生テスト」、12月に「小1・小2冬のチャレンジテスト」「小4記述力模試」、1月に「小3冬期学力診断テスト」「小5NNジュニアオープン模試」などが予定されています。これらのテストをご受験いただいた際には、単に得点や成績結果だけではなく、お子様がどのような姿勢で問題に取り組んだのかをみていただくよいでしょう。テストが終わったときに、「どうだった? できた?」という問い掛けだけではなく、「見たことがない問題はあった? どんな風に考えた?」というような声掛けをしていただき、お子様がどのように問題に立ち向かったのかを確かめてください。
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