『依存心』
2018.06.20
子どもですから、親に対して「甘える」のは当たり前のことです。困ったときには、大人に助けてもらおうと考えるのも当然のことです。ただ、中学受験へ向けた学習を考えたると、「依存心」が強すぎるのは、成績を伸ばすという観点からはマイナスになってしまいます。
先日の『クローバーセミナー』でも、「子どもを伸ばす接し方」の一つのヒントとして、「依存心はなるべく早めに払拭する」「依存心をなくすためには、ときにはデメリットも覚悟して」という話をさせていただきました。その中で「朝、自分で起きられるようにする」という例を紹介させていただきました。
朝、ひとりで起きられないのは「甘え」がその根底にあるはずです。ギリギリまで寝ていても誰かが起こしに来てくれるということがわかっているから、自分では起きてこないのです(もちろん体質や体調面での要因がないということが前提です)。このケースの場合、私は「絶対に起こしにいかない」ことをお勧めしています。『そうすると本当に遅刻しちゃうんですよ』というお話をいただくのですが、そのデメリットも覚悟したうえで「起こさない」という選択もときには必要だと思うのです。
「明日からは本当に起こさないよ」とお母様が言ったとしても、お子様の気持ちの底に「そんなことを言ってもきっと起こしてくれる」という「甘え」の気持ちが潜んでいると、やはり起きてこないこともあるでしょう。起こさないと、はじめのうちは遅刻してしまうことも何回かあるかもしれません。荒療治かもしれませんが、その経験によって「甘え」から脱却し、自立していくことができるようになるはずです。
学習について考えてみます。学習の成果を試すテストでは、誰かに「助けを求める」ことはできません。しかし、普段の学習の中で「助けてもらって解決する」というスタイルが身についてしまっていると、テストで少し難しいと感じる問題が出ていると、すぐに「あきらめて」しまうことが多くなってしまいます。「誰も助けてくれないのだから、自分でなんとかするしかない」と考え、難しい問題に立ち向かうことで、お子様は一段成長していきます。さらに、そうやって立ち向かった結果、はじめは「できないかもしれない」と思った問題を解き切った経験は、大きな成功体験となるのです。
普段の学習における姿勢の中にも、「甘え」がいろいろな場面で見えることがあるのではないでしょうか。言われるまで勉強を始めない、宿題は見ていないとやらない、問題がスムーズにできないと諦める……etc。
これらの根底にある「甘え」から抜け出すことで、学力面でも大きく成長し、次のステップへと進むことができるはずです。ひとつのヒントとして、お考えください。
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