『雲外蒼天』

2018.07.11

先日、早稲田アカデミーの大学受験部から依頼があり、「ＮＮクラス卒塾生へ向けたメッセージ」を書きました。大学受験へ向けて「勝負の夏、熱い夏」を過ごすことになる早稲アカ卒塾生へ向けて、６年前に本気で取り組んだ「夏」を思い出してもらえるようなメッセージを……という話でしたので、いろいろと考えて次のような言葉を書きました。

「雲外蒼天　雲を突き抜けた先の真っ青な空。そしてその先の未来へ……！」

そんなメッセージを書きながら、数年前のセンター試験前日に電話をくれた卒塾生のことを思い出していました。「いよいよ明日はセンター試験だ……、と思ったらなんとなく不安になって、壁に貼ってあった早稲アカの夏期合宿でもらったハチマキを眺めていたら、急に声が聴きたくなって電話をしました」、そんな風に彼は話していました。「先生、とりあえず『がんばれ』って言ってください！」「よし、がんばれ！君なら大丈夫だ」……そんな会話を交わしたのですが、「君なら大丈夫」という言葉にはなんの根拠もありません。中学・高校でどのような学習をしてきたのか、模試の合格判定はどうなのか……、どれもまったくわかりません。ですから「大丈夫」かどうかはわからないのですが、彼が中学受験に向けて本気でがんばっていたときのイメージは鮮明に残っていたので、きっとここまで必死に努力を重ねてきたのだろうと想像はできました。

雲の中にいると周りは見えなくて、不安になることもあるでしょう。本当にこの雲の先に青い空が広がっているのだろうか、このまま進んでいってもよいのだろうか、方向は間違っていないだろうか……そんな思いになるのはよくわかります。私自身もこれまでの人生を振り返ると、そういう時期はありました。そんなときに思い出すのが「雲外蒼天」という言葉です。「困難を乗り越えれば、必ず明るい未来が待っている」というような意味の言葉ですが、「雲の外には青空がある＝困難はいつまでも続かない」というように考えたりもしています。雲の中で不安になっても、自分を信じて突き進めば必ずその外には青空があるというイメージでしょうか。雲の中で立ち止まってしまうのではなく前を向いてがんばれ……そんなメッセージのように思っています。

センター試験の前日に電話をくれた卒塾生は、見事に第一志望の大学に合格したという連絡をもらいました。きっと明るい未来の中を進んでくれていることと思います。

2018.07.11　『雲外蒼天』

2018.07.06　『夏に伸びる！夏に伸ばす！』

2018.07.04　『個別面談会を実施しています』

2018.06.29　『お弁当』

2018.06.27　『価値観』