『学習に取り組む姿勢』
2020.02.26
新学年が始まってから三週間になります。学年があがったことにより、家庭学習の質や処理スピードのレベルも高めていく必要があります。そこで今回は、家庭学習の質を向上させるポイントについて。
お子様はご家庭で机に向かうとき、どんな姿勢でいらっしゃいますか。左手でほおづえをつきながら、右手の鉛筆だけで問題を解いているようなことはありませんか。姿勢が悪いと、集中力も欠けてきて学習効率も悪くなるとよく言われます。実際に私が授業をしているときにも、ほおづえをついていたり、壁に寄りかかっていたりする生徒は、発問への反応が悪かったり、大きな欠伸をしたりすることが多いように思います。姿勢が悪いと、脳への血流が悪くなり、脳が酸欠状態になるためだという話を聞いたことがあるのですが、専門的なことはよくわかりません。ただ実際の経験上、間違いなく学習姿勢と学習内容の定着度合いには関連性があると思っています。
授業中のほおづえや壁に寄りかかるような姿勢は注意しますし、生徒たちも「よくない姿勢」だと理解できるので、すぐに直そうとします。ただ、最近気になっている授業を受けるときの姿勢があります。椅子に浅めに腰かけて、背中の高い位置(肩甲骨のあたり)を背もたれにあてているような姿勢です。そのような姿勢だと、お尻や腰ではなく背中で体重を支えることになりますので、やはり集中に欠き、眠気がおそってくるようです。気が付いたときには注意するようにしているのですが、その姿勢に慣れてしまっているのでしょうか、またズルズルと腰が前の方に出てきてしまうことが多いようです。
また、猫背もよくない姿勢です。問題を解くのに集中してくると、顔と机との距離が近づいてくるタイプのお子様もいらっしゃいますが、できる限り高い位置から教材やノートを見た方がよいと私は思っています。もちろん視力の問題もありますが、それ以上に「全体像を俯瞰する」という点からも、少し離れたところから問題を見る方がよいはずです。
早稲田アカデミーでは「私語のない緊張感のある授業」を行っています。その一環として、生徒の授業を受ける姿勢に関しても注意をしています。「常にピンと背筋を伸ばして」いるような状態を目指しているわけではありません。「緊張感のある」という状態と「緊張している」という状態は全く違います。生徒に対して「緊張している」ことを求めているわけでは決してありません。むしろ、その反対です。自然体で集中して授業に臨んでもらえるように指導しているわけです。ただ、やはりそのときの学習姿勢には、普段の学校での授業やご家庭で机に向かうときの姿勢が、自然と出てきてしまうものです。
保護者の皆様にも、ご家庭で机に向かっているときのお子様のご様子を観察してみていただければと思います。はじめのうちは正しい姿勢が保てていても、時間が経つにつれて段々と悪くなってくるのはよくあることでしょう。その姿勢を見ていると学習に集中できているかどうかがよくわかるはずです。小4くらいまでであれば、姿勢が崩れてきたあたりが集中力の限界と考えて、ときにはそこで学習をストップしてもよいと思います。もし机に向かった瞬間から姿勢が崩れているようであれば、その点については指摘し矯正するようにした方がよいでしょう。
小5以上になってくると、集中力が欠けてきて姿勢が崩れても学習を継続しなければならないはずです。そのときには「ぐーっと伸びをしたり」「首や腕を回したり」という形で体を動かすことを生徒にはすすめています。
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