四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『忍耐強い……』

2020.06.24

今週の月曜日(6月22日)から、早稲田アカデミーでは(小1・小2を除く)全学年で「対面授業」が再開されました。現在は「早稲アカDUAL」と名付けて「対面授業」「双方向Web授業(Zoom授業)」のどちらかをお選びいただけるようになっていますので、まだご家庭で授業を受けられている方もいらっしゃるとは思いますが、やはり生徒がいると校舎には活気が出ます。私の勤務している武蔵小杉校でも、講師だけではなく事務職員も含めて、活き活きと笑顔で生徒と接しています。まだまだ、さまざまな場面で新型コロナウイルスの影響は残っていますし、新しい情報なども出てきていますが、一日も早く「終息」を迎え、みんなが笑顔になれる日がくることを願っております。


新型コロナウイルスに関する報道を見ていると、海外の各国と比べたときの日本の感染率についての話題がありました。「外出自粛の徹底」「マスクの着用率」というデータを見ながら、「日本人の特性」についてコメントされている方がいました。「日本人の『忍耐強さ』という特性が……」という内容だったのですが、それを聞いて今回のテーマが浮かびました。


「忍耐強い」ということは、よい意味であり、美徳だとも思います。社会人になって仕事を進めていく上では大切なことのひとつでもあるでしょう。ただ、小学生の学習を考えたときには、「忍耐強くある」ことは必ずしも「必要なことではない」と考えています。


「忍耐強く授業を受けている」と聞いた時に、どんなイメージがわくでしょうか。「理解できていない内容をガマンしながら聞いている」、そんな場面が思い描かれるのではないでしょうか。「忍耐強く宿題に取り組んでいる」という言葉ではどうでしょうか。「問題を前にしてじっと座っている」、そんな印象にならないでしょうか。


教室の中でも、家庭学習の机の前でも、座っているだけで学習が進むわけではありません。常に頭を回転させていなければならないはずです。そういう意味で「忍耐強く」学習に取り組むというのは、本来の学習の仕方からは少しずれているように思うのです。


一方で「根気よく」問題に取り組むというのは、とても大切なことだと考えています。「忍耐強い」と「根気よく」というのは同じ意味のようにとらえられることもありますが、こと学習に取り組む姿勢としては、私は分けて考えています。学習に対して「根気よく」取り組むというのは、難しい問題に向かったときに、頭をグルグルと回転させながら、正解にたどり着くまでの一つひとつの過程を追いかけながら解きほぐし、ていねいに解いていくイメージです。難関中学の入試問題を解ききるためには、絶対に必要になってくる学習姿勢です。


さて、お子様の学習姿勢はいかがでしょうか。「勉強時間はきちんと確保しているのに、なかなか成績が上がらない」というご相談をよく受けます。机の前に「忍耐強く」座っていることが勉強ではありません。わからない問題を目の前にしてじっと座っていても、ただ時間が過ぎていくだけです。そういう学習スタイルになってしまうと、成績が上がらないだけでなく、学習そのものが苦手になってしまう可能性も出てきてしまいます。
一方で、机の前ではなくても、いろいろと考えて頭を回している状態は、ある意味で「勉強」しているといえるはずです。以前、担当していた生徒が「算数の難しい問題ができなかったのであきらめていたら、次の日の学校の給食の時間に解き方を思いついた」と言ったことがありました。彼女の頭の中にはずっとその問題が残っていたのでしょう。学校でそれを考えていたわけではないのでしょうが、パッと「ひらめいた」という感覚なのだと思います。

同じテーマの最新記事

2020.06.24 『忍耐強い……』
2020.06.19 『オンライン授業の学習効果を高めるために』
2020.06.17 『ブログ開設10年目を迎え……』
2020.06.12 『0と1の間に……』
2020.06.10 『きちんと見直しをしなさい』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー