『夏期講習会の学習効果を高める』
2021.07.30
早稲田アカデミー各校舎では夏期講習会の授業が実施されています。私も午前中に小学校3年生・小学校4年生クラスを担当しています。
今回は夏期講習会の学習効果を高めることをイメージして「授業の受け方」「ノートのとり方」に関して書かせていただきます。夏期講習会は通常の授業よりも時間が長いため、当然授業内で扱う学習内容も多くなります。それらをきちんと定着させるためには、正しい「授業の受け方」を理解しておくことが必要です。私も夏期講習会で担当する小3・小4クラスでは、「授業の受け方」そのもののレベルアップを一つテーマとして、授業を行っています。
「正しい授業の受け方」といっても、難しいことではありません。その日の授業で教わったことは、その授業内で身に付けて(覚えて)帰る、その一点です。ただ、実はそれを意識して授業を受けている生徒は意外に少ないものです。まずはそこからお子様にお伝えいただきたいと思います。小学生にとって、家に帰ってからもう一度テキスト・ノートを見て、授業を振り返り、身に付いていないものを思い出して定着させるという「復習」の過程を完璧に行うのはなかなか難しいものです。授業中に集中して聞いて、ノートをとることでその場で復習し、身に付ける。家に帰ってからは、宿題となっている問題を解くことで、教わったことを再確認する。そんな学習スタイルの方がうまくいきます。
また、早稲田アカデミーの授業では、講師が解説をしながらホワイトボードに書いているときは鉛筆を持たない、ということをルールとしています。集中して聞くことでまずは学習内容をしっかりと頭の中に入れるように指導しているわけです。次に「はい、書きなさい」と指示をしてノートをとらせます。このノートをとっているときに、我々講師は一人ひとりの生徒が理解できているかどうかを確認します。頻繁に顔を上げながら、一字一字丁寧に書いている生徒がいます。このような生徒はノートを丁寧に書くことはできているのですが、学習内容がしっかりと頭に入っていないことが多くあります。逆にホワイトボードをじっと見て、一気にある程度の部分まで書き切ってしまう生徒がいます。頭の中に入れてから書いているので、それがそのまま「復習」になるので定着度は高くなるわけです。
さらにここに関しては、教授法のノウハウがいくつかあります。たとえば非常に重要なことを教える場合、あえて全てを黒字で書いて、生徒に写させ、全員が写し終わったあとで、赤や青のペンで重要なところをチェックさせていく、という方法があります。聞いている段階でまず頭の中に入れ、さらに自分で書くことで「復習」し、もう一度重要なところに色を付けることでもう一段階を演出するわけです。
もしご家庭でノートを利用した復習をされる場合は、お子様のノートをご覧になって、書かれている内容を口頭で確認していくのがよいでしょう。たとえば、次のように書かれているノートがあったとします。
『1とその数以外に約数を持たない数→素数』 『同じ数字を2回かけた数(平方数)の「約数の個数」は奇数個』
このようなときには「1とその数以外に約数を持たない数をなんていうんだっけ?」「約数の個数が奇数になるのはどんな数?」と聞いてあげればよいわけです。参考にしてみてください。
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