四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『入試本番へ向けたアドバイス』

2025.01.17

インフルエンザについて、テレビのニュースなどでも報道されている中、中学入試がスタートいたしました。先日、池袋の本社から武蔵小杉まで向かう電車の中で、たくさんの受験生と思われる親子を見かけました。ちょうど埼玉県の入学試験を終えて帰途につく時間に重なったようです。少し疲れた顔のお子様もいらっしゃいましたし、顔を紅潮させながら問題について話をしていたお子様もいらっしゃいました。どのお子様のバッグにもお守りがついていて……。この時期、小6受験生の授業で話していることを、少し紹介させていただきます。受験生の皆様にももちろんお読みいただきたいのですが、それ以外の皆様もテストを受けるときには意識をしていただきたいポイントになります。


受験生ではなくても、テストを受ける前に「最後まであきらめないように」とか「時間ギリギリまでしっかりと見直しをして」とか、などの言葉をかけることがあるのではないでしょうか。ただ、この言葉だけではなかなか効果が上がらないと思っています。特に小学生の場合、「あきらめないように」と言われても「見直しをしなさい」と言われても、なかなか具体的な行動には結び付かないことが多いはずです。結局のところ、一通り自分のできる問題が解き終わって、残り時間が数分くらいだと、手を止めてしまって時計を見ながら過ごすような生徒も少なくありません。


そこで、私は「1分間の長さ」を体感させるところからスタートします。
「いまから先生が1分間を計るから、『はじめ』と言われたら目を閉じて、『やめ』と言われたら目を開けなさい」ということをやってみるわけです。保護者の皆様も実際にやってみていただけるとお分かりになるでしょう。キッチンタイマーを「1分」にセットして試してみてください。かなりの長さを感じるはずです。「この1分間でできることはたくさんあるとわかったはず。試験の最後の1分間で勝負が決まると思って、そこを大切にしなさい」という話に続けます。


今年担当しているNN慶應クラスの授業でもやってみました。特に慶應普通部の算数の問題は、処理能力が問われます。試験時間は40分間で平均13問の問題を解くことが求められています。単純計算で1問3分ということになります。私は「1問にかけられる時間は2分30秒。初めの15秒で解ききるまでの道筋を考えて、考えついたらそこから手を動かして、2分15秒で答えまでたどり着くように」という指導をしています。この解答まで行きつくスピード感は、各学校で異なるものですが。


「満点が狙える試験」の場合は、「見直し」という手法は効果があります。比較的難度が低い試験(テスト)ということになりますから、時間的にも余裕があるでしょう。残った時間を使って「見直し(解き直し)」も余裕をもってできるはずです。また「満点が狙える」ということは、「ミスが許されない」ということにもなりますからから、「見直す」ことが必要にもなるのです。


しかし、中学入試の問題は「満点が狙える試験」ではありません。制限時間ギリギリまで一つでも多くの問題に立ち向かっていくことが必要なはずです。この場合、「見直しをしなさい」という言葉にはあまり効果がないのです。私は「自分の計算を見直す時間なんていうのはないはずだから、一度できちんと正しい答えを出しなさい」という指導をしています。


さらに、もし少しでも時間があまった場合に、なにを見直すかという点については、「設問文を読み直す」ようにと指導しています。試験時間中に「自分のミス」を客観的に見直すことは難しいはずです。自分が一度正しいと思って書いた答案(例えば、計算過程など)ですから、見直したとしてもなかなかミスを見つけることはできないのが普通です。国語の記述などは「誤字脱字がないかを読み直す」という作業には効果がありますが、それ以外では、自分の答案を見ることでミスを見つけるのは難しいはずです。


一方で、設問文を読み直すと「ミスに気付く」ことがあります。特に入試本番の緊張した環境では、設問文中の条件などを読み飛ばしてしまったり、問題を解こうと焦って「思い込み」で解いてしまったり、ということがよくあります。国語の選択肢問題で「不適切なものを選びなさい」と書いてあるのに、「適切な」ものを一生懸命考えたり、算数の文章題で「父の年齢」が問われているのに、「母の年齢」を答えてしまったり、というような「ミス」は、受験生であれば誰もが一度は経験したことがあるでしょう。こういった「ミス」は最後の「設問の見直し」で防ぐこともできるはずです。


スタートを切った首都圏中学入試。受験生たちにとってはここまで目指してきた「大きな目標」に向けてのチャレンジです。それぞれがここまで培ってきた実力を100%発揮して、悔いのない入試を終えられるように、そしてその先の「輝かしい次のステージ」へと胸を張って進めるように、心から願い、応援してまいります。
非受験学年の皆様も、早稲田アカデミーの中学受験生たち、さらには全国の中学受験生たちを応援してあげてください。

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